今、漢方がおもしろい
医学の進歩した現代でも、長い歴史を持つ漢方にたよることは多い
そのような中、長い歴史を持つ伝統医学、中でも漢方が注目されています。漢方の本質は「体を部分的に治療するのではなく、根本から治そう」というものです。
ですから、ちょっとした肌荒れやダイエットなど美容分野からがんや慢性病など、すべてが漢方治療の対象となります。これらはどれも体が本来あるバランスを失っている状態と考えられるからです。つまり、このバランスを整えるために、漢方が期待できるのです。
現在では、医師の8割以上が漢方薬を日常的に処方しているといわれ、広く用いられています。皆さんの中にも病院や調剤薬局で漢方薬を処方された経験がある方も多いと思います。また、ドラッグストア等でも感冒に用いる葛根湯をはじめ多くの漢方薬を目にすることができます。他にも漢方専門の薬局が存在し、経験を積んだ薬剤師による相談のもとで、患者さんに合う漢方薬を調剤しています。
調剤薬局と漢方薬局の漢方薬の違いは?
街の調剤薬局や病院の薬剤部などでお渡しする漢方薬は、ほとんどが医師の処方せんに基づいたエキス剤といわれる粉薬です。しかし、多くの漢方薬局ではエキス剤以外にも、植物の根、茎、葉などのいわゆる生薬を、煎じ薬用に調剤しています。煎じ薬の販売には薬局製剤製造販売業の許可をとることが必要ですが、薬剤師が漢方薬を構成する生薬の品質を確かめながら調剤して、お渡しすることができるというメリットがあります。
漢方薬局のお仕事
患者個々の漢方薬を調剤するために、製造の知識も必要になる
漢方相談は、患者さんに記入していただいた問診票をもとに、現在の症状、生活習慣を含む日常生活についてもお伺いをして、不調の原因を探ります。相談にも特徴があり、例えば「よく夢を見ますか?」など、病院ではあまり触れないようなことも、詳細にうかがいます。
漢方薬の調剤は、これらのカウンセリングから得られた患者さんの状態をもとに処方を決定したうえで行います。多くの漢方専門薬局では患者さんに合った漢方薬を、生薬一つひとつから調合して作ることが多いので、それぞれの漢方薬を構成している生薬についての知識や鑑定眼も必要になってきます。