双子マークの包丁の生まれ故郷
ツヴィリング 関工場見学レポート

280年以上前の1731年、ドイツ・ケルンの南に位置するゾーリンゲンのカトラーズ・ギルドに登録した双子マークのツヴィリングは、驚異的なロングセラーとなり日本のユーザにも馴染み深い「クラシック料理ばさみ」を1938年に発売。1973年には「日本ヘンケルス」を設立し、2003年には「ツヴィリングJ.A.ヘンケルスジャパン」に社名を変更し、双子マークの「ツヴィリング」、一人マークの「ヘンケルス」のふたつのブランドを日本市場に提供してきた。

2004年には岐阜県関市に日本工場を設立し、2005年には日本で企画開発された「TWIN Cermaxシリーズ」や和包丁スタイルの「MIYABI」ブランドを世界市場に向けて発売、2012年には「BOB KRAMER ユーロSモデル」の生産を開始している。
2013年秋には日本支社設立40周年を迎え「TWIN Cermax Limited Edition」が240本の限定生産で発売される。
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関市の街を流れる橋のたもとには刀鍛冶の像が。Photo by Zwilling J.A.Henckels Japan


 
ツヴィリングのマイクロカーバイドステンレスを使った両刃の洋包丁は、さびにくく、酸に強く切れ味が長持ちする。他には切れ味がよく和包丁とよばれる炭素鋼(はがね)を使った片刃の包丁は、さびやすい欠点があり日々の手入れで補うしかない。ジルコニア・セラミックを使ったセラミック包丁もある。セラミック包丁はさびないが切れ味はそれほど長く続かないのが実感だ。

関市は刃物の街として有名で、約450社近い刃物関係の事業所があり、その内訳は刃物メーカー約90社、小規模刃物製造事業所約50社、工程別加工業者約260事業所、金型・リベット・木柄・プラスティック・紙企業などの部品製造業者約60事業所となっている。
日本国内での包丁は、関を中心とする岐阜県が51%、燕を中心とする新潟県が36%、武生、堺、三木、土佐などの産地合計が残りの14%のシェアとなっている。

このように日本一の包丁の産地にも関わらず、関市内に入っても包丁生産工場を目にすることはできない。それは包丁生産がほとんど工程ごとに分業化され、ひとつの工程ごとに小さな町工場や農家の離れなどでおこなわれているため一貫工程を見ることはほとんどできないからである。
ツヴィリング関工場の特徴は、付加価値の少ないプレス工程だけを外注し、その後の工程をすべて関工場の中で、一貫生産体制でおこなっていることだ。

工程ごとの分離発注は、需要に応じた生産量のコントロールができるメリットは大きいが、職人の高齢化や経営環境の悪化によって、高品質で均一なモノづくりの観点からはデメリットとなることが懸念される。
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製造工程の違い。画像 by Zwilling J.A.Henckels Japan


 
今回、40周年を迎えた関本社工場を見学する機会に恵まれたので包丁づくりの工程を、順を追ってご紹介します。
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Zwilling関本社工場正門


 
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Zwilling関本社工場エントランス


 
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エントランス内のZwilling商品Display


 
■関・本社工場玄関とエントランスホール
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技術・生産担当の山田常務取締役からガイダンス。


 
■山田常務取締役から見学前に包丁づくりの基本知識のガイダンスを受ける。

■次ページからZwilling関工場の包丁づくりの工程を順を追ってご案内します。

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