アート・美術展/アーティストはどういう人?

キャンバスに“光”を描く、北城貴子さんのアート(2ページ目)

アート作品をつくる人=アーティストとは、どういう人なのでしょうか。いま生きているアーティスト、つまり現代美術のアーティストに直撃。今回は北城貴子さんに、制作や作品の背景、アーティストの生きかたについて話を聞いてみましょう。

藤田 千彩

執筆者:藤田 千彩

アートガイド


絵を描く道具=画材

大小だけでなく太さの異なる絵筆がたくさん!

大小だけでなく太さの異なる絵筆がたくさん!

画家に欠かせないのが、絵具と筆です。私たちが小学校のときに習った水彩画は、水で絵具を溶かしましたが、油絵は油で絵具を溶かします。油絵具は乾きにくいので、一度塗った絵具が乾いたら、さらに違う絵具を重ねる、という描き方をします。

北城さんは光を描くので「白色」の絵具を多くつかうそうです。白色といっても、歯磨き粉の白と雲の白は違って見えますよね。絵具の白色にも種類があります。北城さんは「よく使う白」と「あまり使わない白」があるそうです。

 

絵具の種類も多いのですが、北城さんのアトリエには、大きさや太さが違う筆がたくさん置かれています。大きい画面に大きく腕を動かして塗るときはハケのような大きなもので、小さい画面の場合はその逆で小さい筆をつかいます。また、筆だけでなく、ペインティングナイフと呼ばれる絵具をなすりつけるナイフ状の道具もつかいます。

 

画家という仕事

絵を描く北城貴子さん

絵を描く北城貴子さん

美術では「表現の個性」が重要です。他人と同じ絵では、絵の価値がないと見なされます。北城さんの絵は、写真と見間違えるような風景画でも、漠然とした抽象画でもありません。しかしなぜか「北城さんの絵」と分かります。
「ドローイング(下書きのようなもの)をつくり、キャンバスに移るという、絵を描くプロセスをすべて同じにしているからですね」。

 

北城貴子《Saturation 10》37.9×45.5cmundefinedOil on canvasundefined2013

北城貴子《Saturation 10》37.9×45.5cm Oil on canvas 2013

現在、北城さんは大学で絵を教える仕事もしながら、2人の子どもを育てています。

「臨月まで絵を描いていましたし、生んでから展覧会を開くことが増えました。子どもがいると24時間自分の時間というわけには行きませんが、両立しています。子どもを背負って、壁一面くらいの大きなサイズの絵を描くときもあります。画家というと驚かれますが、普通の人と同じように子どももいるし、生活もしていますよ」。

 

■プロフィール
北城貴子(ほうじょう・たかこ)
1975年大阪府生まれ、2004年京都市立芸術大学大学院美術研究科後期博士課程修了。これまで、「VOCA 2013」(東京・上野の森美術館)、「Ohara Contemporary」(岡山・大原美術館)、「Saturation」(東京・ART FRONT GALLERY)などで発表している。

■今後の展覧会スケジュール

「北城貴子 ‐ 浸透する光」
2014年3月28日~4月20日
アートフロントギャラリー(東京都渋谷区)
詳細はこちら

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