- 口コミで選んだリフォーム業者は果たして正解?
- 口コミで評判が良かったリフォーム業者での失敗事例3つ
- 口コミで評価するポイントは人によって違う
- 口コミから一歩すすんで、自分に合うリフォーム業者を探そう
- 担当者との相性も大切なポイント、変えてもらう際の言い方
口コミで選んだリフォーム業者は果たして正解?
口コミには消費者の生の声を知ることができるという大きなメリットがあります。リフォーム業者選びにおいても、口コミは重要な情報源のひとつです。しかしそこには意外な落とし穴が潜んでいることがあります。
今回は口コミで評判が良いリフォーム業者を選んだはずなのに失敗してしまった事例から、本当に自分に合った業者選びのコツをご紹介します。
一般社団法人住生活リフォーム推進協会が毎年実施している「インターネットによる住宅リフォーム潜在需要者の意識と行動に関する調査報告書(※)」によると、リフォーム業者選びの重視点の順位は次のようになっています。(※2017年版)
- 工事の質・技術
- 工事価格の透明さ・明朗さ
- 工事価格が低いこと
- 担当者の対応・人柄
- 要望に対する理解力
- 的確な情報提供
- デザイン提案力
しかしこれらのことを自分の目で見極めるとなると、なかなか難しいものがあります。そんな時に頼りになるのが口コミです。口コミならパンフレットやカタログからでは分からないことや、消費者の正直な気持ちが表れていますので、リフォーム業者選びに大いに参考になります。
リフォーム業者選びで迷った時も、知り合いやご近所、親戚などから「あのリフォーム業者さんは良かった」と言わると信頼感が増しますし、ネットで良いことが書かれていると安心します。
同協議会による全国WEBアンケート調査(※)によると、「リフォーム業者の選定時に費用・価格以外で重視したポイントを教えて下さい」という問いに対して、全体の約1/4、24%の人が口コミ・実績と回答しました。(※2015年9月に実施)
しかし、この口コミでの評判には意外な落とし穴があります。もちろん、その評判が嘘だった、宣伝活動だったということではありません。良いという評判を信じて選んだのに満足できなかった、別の業者を選んでおけば良かったと後悔してしまう事があるのです。
口コミで評判が良かったリフォーム業者での失敗事例3つ
<失敗事例1>サービス過剰?無駄な費用が掛かった気がして後悔Aさんの家は築25年、そろそろダイニングキッチンとリビングが傷んできたので、リフォームをしたいと考えていた。
どこのリフォーム業者にしようか悩んでいたところ、親戚が数年前にリフォームをした際に依頼したある大手のリフォーム会社がとても良かったと聞き、紹介してもらってそこに依頼することにした。
打ち合わせも済み、プラン・見積もりを出してもらったのだが、金額が想像よりかなり高い。しかし紹介してもらった手前もあり、契約して工事をすることにした。
その後の流れはスムーズで、プランも良く、インテリアコーディネーターが来ておしゃれな壁紙を選んでくれたり、キッチンのプランナーが立体図を起こしてくれたりと、サービスはとても良かった。
しかし、本当は特別デザインにこだわっているわけではなく、壁紙は普通に白で良いし、キッチンも新しく便利になればそれだけでうれしい。
費用が高いのはやはりこれらのサービスの分の経費だろうと思うと、やはりもったいなく感じてしまった。出来栄えは確かに良いのだが、そこまでのものを求めていたわけではなく、その差額で旅行に行ったり貯金をしたりできたのにと思うと、なんだか無駄遣いをしたような気がしている。
<失敗事例2>安くて良い業者だが、満足いく内容にならない
Bさんはマンションをリフォームしようと、憧れのデザイン事務所にプランの依頼をした。全てが理想通りで、とても気に入ったのだが、金額が予算よりはるかにオーバーしてしまった上に、工期が長い。
どうしようか悩んでいたところ、最近同じマンションに別の業者でリフォームをした家があると言う。そこでその人にいろいろ話を聞いてみたところ、似たような工事で2割ほど安く工事ができることがわかった。
また担当者も親切で評判がよく、工事のスピードも速く、デザイン事務所の工事より1週間も早く終わると言う。そこで、そのリフォーム業者にもプランと見積もりを依頼することにした。
ほどなくしてプランと見積もりが出てきてみると、値段は安いのだが、よく見ると床材は平凡でなんだか安っぽいし、デザインもよくあるもので特にアドバイスも無い。
担当者は親切だし、費用面でも満足のいくものではあったが、どうせリフォームするなら理想の家にしたいと思い、紹介してもらった業者は断り、最初に依頼した事務所と契約。予算と工期はオーバーしてしまったが、満足のいく仕上がりになった。
<失敗事例3>デザインは素晴らしいが、対応がおざなり
木造一戸建てに住んでいるCさんは、憧れの北欧インテリアにしたいとインターネットでリフォーム業者探しをしていたところ、まさに理想の写真に出会った。調べたところデザインリフォームで有名な設計事務所で、ぜひそこに依頼をしたいと電話を掛けてみた。
ところが忙しいので少し待つ必要があるとのこと。理想の家を叶えるためには少しくらいなら仕方がないと待つことにしたのだが、いくら待っても連絡が来ない。
2か月ほど過ぎ、待ちきれず催促したところ、やっと家に来てくれたのだが、今度はプランも見積もりも出てこない。今月末には出しますという約束の期日を1か月以上過ぎたので、電話をしたところ、すみません来週には出しますと言うのだが、その日になっても連絡も無し。
待つのは覚悟していたが、相手の態度に誠意が感じられず、Cさんは嫌になってリフォームそのものを延期することにした。口コミをよく見てみると、「ちょっと待つけれど理想の家になりました」という声があり、依頼してから3か月以上も放置されるのはちょっとではないのではと残念に思っている。
口コミで評価するポイントは人によって違う
口コミで良いリフォーム業者と評判であっても、良いと評価するポイントは人それぞれ異なります。
値段が安くて良かったのか、デザインが好み通りだったのか、担当者の態度が良かったのか、大工さんの腕が良かったのか、グレードが高くて高級だったのか。また「ちょっと」という言葉も、人によって感じる範囲はかなり違います。
大切なことは、何をもって良かったのか?その口コミの本質を見極めることです。デザイン重視!という人が、値段が安くて評判の業者に頼んでも、心から満足するのは難しいことです。値段が安いことが大事!という人が、サービスやデザインで評判の高い業者に頼んでも同じことでしょう。
「口コミで評判がよかったのに実際はそうでもなかった」「良いと言うので紹介してもらったけれど満足できなかった」 というようなことが起きるのも、このような価値観の違い、良いとするハードルの高さの違いが原因になっていることが多いのです。
口コミから一歩すすんで、自分に合うリフォーム業者を探そう
リフォームは依頼者と担当者が一緒になって、力を合わせて作り上げていく共同作業です。
口コミでの評判を聞いたら、まずはどこが良かったのか、どこが悪かったのかを具体的に詳しく聞きましょう。インターネットの書き込みの場合は、表現には個人差があることを念頭におき、参考にとどめるようにすると良いでしょう。
大事なことは、自分が大切にしているもの、求めるものを提供してくれるかどうかを、じっくり見極めることです。そのためには、自分が何を大事にしているのか、優先順位をつけておく必要があります。
費用が最優先か、プランか、デザインか、床材は絶対無垢にしたいという人もいるでしょう。テレビを見ながら料理ができるようにしたい、子供部屋に日差しを取り入れたい、じっくり相談に乗ってほしい、やりたいことは決まっているのでぱっと終わらせて欲しい、大工さんと直にやりとりしたい、プロにセンスのいいコーディネートをして欲しいなど何でも構いません。
ここは大事にしたい、譲れないというポイントをしっかり伝え、その願いを叶えてくれるかどうかを見極めることがポイントです。
誰もが満足する、万人に合うリフォーム業者はいないものです。良いリフォーム業者とは自分の価値観に合う業者であり、求めるものを叶えてくれる業者のことなのです。
担当者との相性も大切なポイント、変えてもらう際の言い方
リフォーム会社選びでは、担当者との相性も大切になります。大きな会社の場合、担当者と呼ばれる人は大勢いますので、人によって相性の良し悪しやスキルレベルの高低があります。もし会社は気に入っているけれど担当者と合わないと感じたら、担当者を変えてもらうよう聞いてみるのもいいでしょう。なかなか言いにくいことですが、例えば年齢が若い担当者の場合は、自分と同世代か年配の人に老後の相談をしたい、男性の担当者の場合は、女性に生活や健康に関する細かい話を聞いてもらいたいといったような言い方なら言いやすいでしょう。
また気を付けたいのが、なんでも言うことを聞いてくれる人が良い担当者ではありません。自分に合う、本当に良い担当者を見極める4つのポイントは下記でご紹介していますので、あわせてご覧ください。 さて口コミでリフォーム業者の候補がいくつか決まったら、本格的に選択に入ります。下記に、リフォーム業者の選び方や、相見積もりの取り方までリフォーム業者の選び方を3ステップでご紹介していますのでご覧ください。
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