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犬は暑さと湿気が苦手--熱中症の落とし穴(2ページ目)

「まさか…」というようなことで犬が熱中症になることがあります。今年は猛暑となっていますので、さらに気をつけましょう。

大塚 良重

執筆者:大塚 良重

犬ガイド


「旅先で気分爽快、さっきまで元気に遊んでいたのに」、ところが……

愛犬の様子は観察を

開放感から気が緩むことのないように、愛犬の様子を観察することは忘れずに

Cさんは愛犬を連れて夏休みの旅行に出ました。自然に囲まれ、仕事の疲れも忘れて、楽しそうに遊ぶ愛犬の姿に目を細めていたところ、突然愛犬の息が荒くなり、様子がおかしくなってしまいました。熱中症になりかけていたのです。

エアコンがきいた涼しい部屋は確かに快適ですが、冷やし過ぎというのは体にはよくありません。室内の気温と外気温とに差があり過ぎる生活を繰り返していたり、エアコンに頼り過ぎた生活をしていると自律神経の働きに支障をきたすことがあります。

自律神経とは手足を動かすような自分の意思で体を動かすものとは違って、内臓の働きや体温調節など自分の意思とは別に働く神経のこと。自律神経には活動している時やストレスを感じている時などに働く交感神経と、睡眠時やリラックス時に働く副交感神経とがあります。興奮している状態の体を鎮めようとする働きがあるのが副交感神経です。

わかりやすく言うなら、エアコンにばかり頼っていると、エアコンが丁度いい温度にしてくれるので、自律神経は自分で体温調節をする仕事をしなくてもいいと思ってさぼりだすということです。これによって、暑さに対して対処しにくい体となり、熱中症にもなりやすくなってしまうのです。

確かに犬は暑さに対して弱い動物ですが、エアコンの使い過ぎ、冷やし過ぎは逆効果です。特に普段エアコンのある部屋で生活をしている犬は、散歩やドライブ、旅行など外で遊ぶ時、休憩も入れず長時間遊ばせ過ぎないよう、様子をよく観察してあげたいものです。

「車の中はエアコンがかかっていたはず」、ところが……

夏休みを利用して愛犬連れで家族とドライブに出たDさん。高速のSAで昼食と買い物をすることにしました。愛犬は車に残すしかなく、その間、環境には悪いと思いつつも、エアコンをつけた状態でエンジンをかけたままにしておきました。買い物も済み、車に戻ってトイレに連れ出そうとハッチバックを開けると、愛犬がクレートの中でぐったり……。

「ちゃんとエアコンをかけていたはずなのにどうして?」とDさん。車のエアコンは運転席や助手席あたりはよくきくものの、カーゴスペースまで充分には届きにくいものです。特に、愛犬をクレートに入れ、車の後方に向けて開け口があった場合、犬自身の体温や呼気によって中が蒸し暑くなってしまっていることがあります。クレートは前面を除いて三方向が囲った形になっていますから、熱もなかなか逃げにくいというのが難点です。そのために、クレートの中にいて熱中症になるというケースもあるのです。

夏場、車に愛犬を残して買い物などをする場合、エアコンをかけてあるからと安心せず、できるだけ短い時間で車に戻るようにしましょう。また、仕方なく車で待たせなければならない時には、クレートの中にも風が通るように位置を変えたり、ハッチバックのガラス窓にサンシェードをつけるなど気配りもお忘れなく。

犬の熱中症が多くなるのは、やはり7月から8月にかけて。今年は千年に一度の猛暑になるという気象予想もあります。しっかり熱中症対策をして、愛犬とともに暑い夏を乗り切りましょう!


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※ペットは、種類や体格(体重、サイズ、成長)などにより個体差があります。記事内容は全ての個体へ一様に当てはまるわけではありません。

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