住みたい街 関西/住みたい街の見つけ方[関西]

【統計で斬る】持家率でみる神戸市9区の違い(2ページ目)

住宅誌等で神戸市は「阪神間」といわれる灘区・東灘区と三宮以西に大きく分けられます。しかし神戸9区は、大阪24区同様に各々個性的。前回の大阪市に続いて今回は、神戸市を区ごとに持家と借家の比率を調べ比較してみました。区ごとの数字は自分の持っているイメージ通りか否か、図や地図を見ながらお楽しみください。

田中 和彦

執筆者:田中 和彦

住みやすい街選び(関西)ガイド

大阪市の記事でも書きましたが、「住宅・土地統計調査」では「最低居住面積未満の住戸」の数がわかります。最低居住面積とは住生活基本計画(全国計画)で示された住宅の面積に関する水準です。持家/借家別にその平均面積と最低居住面積を満たしていない住戸の割合を示したのが下記の図・表です。

最低居住面積水準神戸

持家/借家別最低居住面積水準未満住戸の割合(各区毎)

神戸市,人口,統計

持家/借家別平均面積(上下ともにクリックで拡大)


※最低居住面積水準は、例えば大人二人と中学生の子供一人の家庭では40平米(10平米×世帯人員+10平米)となります。細かい算出式がありますが説明はコチラの23頁(PDF)を参照。

広い持家が多い神戸市西部

持家で見た場合、最低居住面積水準を満たさないものは神戸市全体で1%。ほとんどありません。須磨区/垂水区/北区/西区の神戸市西部/北部については0%です。神戸市全体の持家平均面積が約99平米、大阪のそれが約90平米なので持家の広さでは大阪市と比べ、いい状況にあります。特に北区(約118平米)と西区(約120平米)の広さが際立ちます。ちなみに大阪市の「100平米超の区」は生野区と東住吉区の2区です。

一方、借家は、最低居住面積水準を満たさない住戸の割合が神戸市全体で13%。持家で同水準を満たさない住戸が0%であった前出の4区が10%未満、それ以外の区は10%超となっています。いちばん数値が高いのは兵庫区で21%。5件に1件は水準以下の住戸です。ただし、この21%というのは、大阪市平均の27%より低い数字。大阪24区の中では「数字が低い方の区」となります。

最後に、おもしろい統計を紹介します。

駅距離別持家借家比率

駅距離別、持家借家比率(クリックで拡大)

 

駅近物件が希少なのは西区

上の表は、鉄道の駅からの距離別に住宅の分布を調べたものです。持家比率の一番少なかった中央区、駅近住宅の多さでは神戸市内でトップです。駅距離200m未満の住戸が26%。実に4つに1つ以上が駅までの距離が200m未満です。500m未満だと56%! 持家と借家の比率はそれほど大きな差はありません。

一方、持家が多くその面積も広い西区と北区は、駅近住宅の比率が減少します。特に西区は駅距離200m未満の住宅は全体のたった3%! 西区の「駅近物件」は大変希少価値があります。「2000m以上」がいちばん多いのは垂水区。過半数の55%がこのカテゴリーに入ります。全住宅数の1/3(34%)が「駅から2000m以上離れた持家」、5件に1件(21%)が「駅から2000m以上離れた借家」となります。垂水区では「バス便物件」が一般的な選択肢となります。

「神戸市に住みたい! でも、どこに住むかは決めていない」。そんな方は、持家/借家の割合、そしてその広さ等を吟味し、どの区に住むか? から決めてみるのも一考の余地があります。

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