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シェアハウスの進化系、ソーシャルアパートメント

住宅のシェアリングをする居住形態には、シェアハウスのほかにも、「ソーシャルアパートメント」などがあります。どういった点が違うのか、まとめてみました。

山本 久美子

執筆者:山本 久美子

最新住宅キーワードガイド

住宅をシェアする賃貸住宅には様々な形態がある

ガイドの記事「着実に増加している事業者介在型のシェアハウス」で、「シェアハウス」について紹介しました。注目されている住宅の“シェアリング”という居住形態のものは、ほかにもあります。「ゲストハウス」「サービスアパートメント」「ソーシャルアパートメント」などと言われるものです。

いずれも個室のほかに、住宅内に共同で利用する共用部がある居住形態の名称として使われますが、それぞれの名称に公的な定義があるわけではないので、同一名称の住宅であっても、その内容に違いがある場合があります。シェアハウスと勝手に名乗る、窓のない居室に二段ベッドを詰め込んだ脱法ハウスが、消防法違反を指摘される事件もありました。貸事務所だと言い逃れをしていたようですが、賃貸の共同住宅としての条件を満たしていないものでした。

また、簡易宿泊所をゲストハウスと呼ぶケースもあれば、交流スペースを設けて多国籍の居住者を受け入れるシェアハウスをゲストハウスと呼ぶケースもあります。このように、同一名称を使っていても次のように分類が異なる場合もあります。
(1)賃貸業において賃貸借契約を締結し部屋を提供している形態
(2)旅館業にて利用者を宿泊させて部屋を提供している形態
どちらに分類されるかによって、建物の建て方も監督省庁も遵守する法律も異なります。

したがって、名称ではなく、どういった居住形態となるのか、どういった設備やサービスを利用できるのか、どういった契約形態となるのかなど、物件ごとに詳しく確認をすることが原則となります。

しかし、「ゲストハウス」では、先の述べたように多国籍の入居者と交流するスペースを設けているシェアハウスの場合が多いですし、「サービスアパートメント」は、フロントサービスやハウスクリーニングサービスを受けられる短期利用可能な家具付きの高級賃貸マンションを指す場合が多いので、探す際のひとつの目安になるでしょう。

ソーシャルアパートメントとは?

キッチンとダイニング

キッチンは奥に3人が同時に使えるもの、手前にラウンジのパーティ利用にも使えるものを1つ、計4セットの大型のものを設置

ルーム

個室は1人または2人用で、室内にバス・トイレ付のものとないものがある


では、「ソーシャルアパートメント」はどうでしょう?シェアハウスと類似した居住形態ですが、ソーシャルアパートメントを運営する(株)グローバルエージェンツによると、シェアハウスとの違いは、個室のプライバシーと充実した共用部にあるといいます。


シェアハウスが、賃貸住宅や寮など小規模な住宅を改修したものが多いのに比べ、ソーシャルアパートメントは、一定規模以上のワンルームマンションや寮などを改修することが多いといいます。そのため、元々建物の個室部分の独立性が高いため、プライバシーが保ちやすいということです。

キッチン

最低限の調理道具や食器を常備し、個室ごとの収納ケースも設置。一時保存用の冷蔵庫はあるが、食料品は個室内の冷蔵庫で管理

ただし、「りえんと多摩平」のように、団地の1棟丸ごとをシェアハウスに改修している場合もあるので、実際の個室の独立性の高さ、プライバシーの違いについては、最終的に物件によって変わるといってよいでしょう。

しかし、ソーシャルアパートメントの共用部については、明らかにシェアハウスとの違いが見られます。一定規模以上というスケールメリットを生かし、広い共用ラウンジとハイグレードな設備を用意している点が大きな特徴でしょう。


ラウンジ

奥が大型テレビとソファをそなえたラウンジ、手前がデン

実際に、根津にある「GRAPHY NEZU」を見学してみました。
1階の共用部には、60型TVと高級家具を置いたラウンジとDEN、4つのアイランドキッチンを配置したキッチン、12人まで座れるダイニング、ヨガスクールを開催するスタジオなどが配置され、共用スペースは無料のwifiが使えるようになっています。

ほかに、男女別のトイレ、浴室(浴室とシャワールーム)、ランドリー、洗面所、女性用ビューティールーム(マッサージチェアとメイクスペース)も用意されています。


また、「GRAPHY NEZU」だけの特徴もあります。
スタジオ

スタジオでは、毎週ヨガ教室が開催されている

全室のうち約半分は半年以上滞在する人向けのレジデンシャルタイプの客室で、残りの約半分の30室は1泊からの利用が可能なショートステイタイプの客室というホテルである点です。
長く宿泊するほど1泊当たりの宿泊料が安くなる仕組みで、ホテルユーザーには外国人が多く、長期滞在者と外国人の宿泊客がラウンジなどで交流することも多いそうです。


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着実に増加している事業者介在型のシェアハウス

※記事内容は執筆時点のものです。最新の内容をご確認ください。

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