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ベルンとユングフラウを結ぶ湖畔の町トゥーン

スイスの首都ベルンと、ユングフラウ地方の拠点インターラーケンの中間にある町がトゥーンです。おおぜいの観光客がベルン方面からユングフラウ地方を目指しますが、通り過ぎるにはあまりにもったいない小さな可愛い町です。

和田 憲明

執筆者:和田 憲明

スイスガイド

ブラームスの愛した湖畔の町、トゥーン

トゥーンの町とトゥーン城

丘の上の城は、トゥーンのどこからでも目に入る

スイスの首都ベルンと、ユングフラウ地方の拠点インターラーケンの中間にある町がトゥーンです。おおぜいの観光客がベルン方面からユングフラウ地方を目指しますが、通り過ぎるにはあまりにもったいない小さな可愛い町です。人口は約4万人。旧市街をざっと見るだけなら、半日もあれば良いでしょう。

トゥーンの町は、12世紀にベルンの町を作ったツェーリンゲン公によって築かれました。ツェーリンゲンとは中世スイスの歴史で重要な役割を演じた有力貴族のひとりで、12世紀にスイス各地で次々と都市建設を行いました。

スイス中央部、インターラーケンの西側に広がる細長い湖がトゥーン湖です。トゥーンの町はそのトゥーン湖がアーレ川となって流れ出す位置にあり、湖と川、そして天気の良い日はアルプスの峰々を望むことができます。赤茶色で染まる建物の屋根は、青く光る湖と川と絶妙のコントラストを描きます。19世紀のドイツを代表する作曲家ブラームスもトゥーンの町がとても気に入り、3年間毎年夏にこの地に滞在しながら数々の名曲を残しました。

トゥーンの町に来たらぜひ歩いてみたいのが町中の大通り、オーバーハウプトガッセ。通り沿いに並ぶ建物の2階のテラス部分が繋がり、ショッピングの通路になっています。道路が上下2段にあるような不思議が感覚に捉われることでしょう。

高台に聳えるトゥーン城と湖上遊覧

トゥーン城

城内には中世の広間が昔ながらの状態で保存されている

トゥーンの町のシンボルとも言えるのが、町の高台の上にあるトゥーン城。やはりツェーリンゲン公により、12世紀初頭に築かれた古城です。眼下にはトゥーンの町と湖、その対岸にはアルプスの白い峰々が連なる素晴らしい景観が広がります。城内には歴史博物館があり、中世からの人々の生活の様子を垣間見ることができます。

トゥーン城以外にも、オーバーホーフェン城やシャダウ城など、時間があれば訪れてみたい古城がトゥーン湖周辺に点在しています。

トゥーンを発着する湖上遊覧もおすすめ。多くの観光客はベルンから列車で一路インターラーケンへ向かいますが、夏の天気の良い日はトゥーンで途中下車がおすすめです。町をぐるりと散策した後は、遊覧船でインターラーケンを目指しましょう。船上のデッキで爽やかな風に吹かれながら、インターラーケンまで約2時間。列車の車窓からは視界に入らなかったユングフラウやアイガーなどの名峰の眺めを楽しむことができます。

 

トゥーンへのアクセス

トゥーン湖

湖船の背後に見えるのは名峰ユングフラウ

ベルンとインターラーケンを結ぶ幹線上にあるトゥーンは、スイス各方面からのアクセスがとても便利です。ベルンから列車で30分。チューリッヒからベルン経由で約1時間30分。チューリッヒ空港到着後、スイス最初の宿泊地としてトゥーンを選ぶのも良いでしょう。

ユングフラウ地方の拠点、インターラーケンからの場合、列車で約1時間30分。ユングフラウ地方滞在中、雨の日は展望台に上がっても全く山が見えないことが多いもの。思い切ってトゥーンの町観光に切り替えた方が充実した時間を過ごすことができるでしょう。
※記事内容は執筆時点のものです。最新の内容をご確認ください。
※海外を訪れる際には最新情報の入手に努め、「外務省 海外安全ホームページ」を確認するなど、安全確保に十分注意を払ってください。

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