シンプルライフ/シンプルライフの達人

この道50年! 超達人のシンプルな旅支度(3ページ目)

もうすぐ夏休み。今回は、海外旅行の添乗歴約50年という旅の達人に、少ない荷物で楽しむシンプルな旅支度をお聞きします。

金子 由紀子

執筆者:金子 由紀子

シンプルライフガイド

着替え不要!? 達人の洗濯術

アラブ教会

アラブの教会で。訪問国の歴史や文化の知識も必要

瀬戸:着替えを減らすためにも、下着はなるべく毎晩洗濯します。洗剤なんか持っていかない。備え付けの石鹸で入浴前に手洗いをして、よく絞り、使っていないバスタオルにはさんでくるくると巻き、上から強く押せば、かなり脱水できます。入浴後は、乾いているところで体を拭く(笑)。持参の針金ハンガーにつるしておけば、乾燥した国なら、翌日には乾いています。ハンガーを持参するのは、ホテルのクロゼットには、数本しかハンガーがない場合があるためです。これなら最悪、着替えも要らない。裸で寝ればいいんです(笑)。


便利グッズは要らない

ガイド:旅行用品店には、さまざまなアイディアグッズが並んでいますが、瀬戸さんのおすすめ商品はありますか?

瀬戸
:うーん、私はあまり必要性を感じたことがないので、ああいうお店に入ったことがないんですよ。もちろんいいものもあるのでしょうが、今使っているものでどうにかなっていますからね……。

ガイド
:達人はモノに頼らないんですね!


パスポートを死守せよ!

瀬戸:旅行に必要なものは、極端に言えばパスポートと財布だけなんです。これさえ死守すれば、あとはどうとでもなります。その代わり、この二つ、特にパスポートを失ってしまうと、せっかくの旅行がそこでストップしてしまいます。

ガイド
:300回近い渡航歴の中で、盗難のご経験はありますか?

瀬戸
:私は、いまだかつて盗難に遭ったことが一度もありません。スリに狙われ、懐に手を突っ込まれたことは何度もありますが。

ガイド
:一度も!

瀬戸
:昔は、治安のよい日本の感覚のまま渡航するお客様が、パスポートや現金を盗まれることが実に多かったんです。今まで何度も、紛失・盗難に遭ったお客様と再発行手続きのために領事館に行きましたが、たいへんな手間と時間がかかります。土日にかかればなおさら。添乗員の私が、そんな失態を犯しては、お客様のお世話ができなくなってしまいますからね。


スリの習性と、パスポート防衛術

ガイド:盗難に遭わない秘訣は!?

戸:パスポートも現金も、大切なものですが、常に携帯でき、しかし目立たず、すぐに取り出せなくては意味がありません。私は、家内に頼んで上着の内ポケットを改良してもらいました。通常、男性の上着の内ポケットは左にあるため、スリは必ず左胸を狙ってきます。そこで、左のポケットにはダミーとして書類などを入れておき、それとは別に右懐に、通常より深い内ポケットをつけてもらいました。これだと、かなり手を突っ込まないと財布に届きません。


「仕込みポケット」の知恵

ガイド:暑くて脱いだ上着を腕にかけたら、中味が落ちませんか?

瀬戸
:落下防止のために、内ポケットにボタンをつけたり、安全ピンで留めておきました。安全ピンは、いちばん小さいサイズにすれば、空港の金属探知にもひっかかりません。それから、スリにも勤務時間があるらしく、9時から15時がもっとも活動が盛んなようですよ。
ガイド:女性向けのアドバイスもお願いします。

瀬戸
:必ず車道と反対の側を歩き、ハンドバッグは車道側と反対の手にしっかりと前脇腹に持つ、ショルダーバッグなら斜め掛けして、バッグ本体が常に体の前に来ることを習慣にして下さい。
  • 前のページへ
  • 1
  • 2
  • 3
  • 4
  • 次のページへ

あわせて読みたい

あなたにオススメ

    表示について

    カテゴリー一覧

    All Aboutサービス・メディア

    All About公式SNS
    日々の生活や仕事を楽しむための情報を毎日お届けします。
    公式SNS一覧
    © All About, Inc. All rights reserved. 掲載の記事・写真・イラストなど、すべてのコンテンツの無断複写・転載・公衆送信等を禁じます