シンプルライフ/シンプルライフの達人

横井庄一さんを知っていますか?

「持たないことを選ぶ」それがシンプルライフです。でも、「持たないことしか選べない」としたら……? これは、戦争によって、そんな究極の選択を28年の間強いられた、一人の普通の青年の物語です。

金子 由紀子

執筆者:金子 由紀子

シンプルライフガイド

横井庄一さんを知っていますか

ビーチ

人気の観光地グアム。しかし、第二次世界大戦では日本軍のほとんどが戦死した激戦地だった。

昭和の人なら記憶しているでしょう。
「恥ずかしながら帰ってまいりました」の言葉とともに帰国した横井さんの姿は、戦後27年を迎え、復興を経た繁栄を謳歌していた日本に衝撃を与えました。

 

横井さんの数奇な物語

肖像

出征当時の横井さん。自営の仕立て屋も繁盛し、夢多き若者だったが…

愛知県出身の横井庄一さんは1915年生まれ。4年間の兵役の後、紳士服の仕立てを営む普通の青年でした。まじめな働きぶりを周囲から評価され、「そろそろお嫁さんでも……」という話が浮上してきた矢先、1941年に再招集、満州に派遣されました。

1944年に転戦したグアム島で同年7月、アメリカ軍の上陸による激戦の果てに日本軍は壊滅状態に陥り、横井さんの部隊は散り散りに。1945年の終戦後も山中でゲリラ戦を行っていた残留兵の耳にも、やがて投降を呼びかける放送は届きましたが、信じる者はありませんでした。仲間の兵士も次々に死亡、以降、グアム島住民によって偶然発見される1972年1月まで、横井さんはジャングルで孤独な生活を続けることになります。

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