今回は、いよいよ「全部譲渡方式ってナニ?」、「サギ事件の内容とは...」という本題部分に入ります。
■全部譲渡方式ってナニ?
すこし難しくなりますが「等価交換方式」には、「全部譲渡方式」と「部分譲渡方式」とがあります。
2つの方式の違いは、土地名義を地主さんからディベロッパーへと変更するタイミングが異なるところです。“土地の一部と建物の一部とを物々交換する”という最終的な結果は同じものになります。
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「全部譲渡方式」では、まず、マンション建設前に土地の名義をディベロッパーに移してしまいます。
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ディベロッパーは、自分の名義となった土地の上に、自己の資金により建物を建てます。
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完成後の1棟のマンションのうち、土地・建物の一部を地主さんへ配分します。
土地名義の流れをみますと、「土地の全部・地主さん」→「土地の全部・ディベロッパー」→「土地の一部・地主さん」という動きをします。つまり、地主さんは元々自分の土地であった部分(左側の黄色い部分)を、再び手元に引き戻すことになります。