試験のスケジュールをチェック
社会保険労務士試験の日程ですが、試験は毎年8月下旬の日曜日に年1回、全国21の都道府県に設置された会場で実施されます。その年の受験案内は、例年4月中旬には全国社会保険労務士会 試験センター(以下「試験センター」といいます)にて配布が開始されます。受験するには、その案内に従って申込書や添付書類等をそろえ、4月下旬から5月末までの期間に受験申込みをしなければなりません。
申込書等に不備がなく、後述する受験資格が認められた方には、8月上旬に試験センターから受験票が届きます。試験当日必要となる大切なものですから、紛失してしまわないようきちんと保管しておきましょう。
これらの情報については、予備校を利用されている場合は学校から案内があるでしょうが、独学で勉強されている場合は自分で入手しなければなりません。受験申込みを怠ると、せっかく受験勉強をしていても、本番の土俵に上がることすらできなくなってしまいます。4月になったら受験情報に注意し、申込みは受付期間が始まったら速やかに済ませましょう。
合格発表については、例年11月の上~中旬の金曜日に行われます。合否の確認(受験番号)は、試験センターのホームページをチェックする方法のほか、厚生労働省または都道府県社会保険労務士会で掲示されますので直接見に行くことも可能です。他には当日の官報にも公告されます。
詳細は「社会保険労務士試験オフィシャルサイト」をご確認下さい。
社会保険労務士試験で勉強する科目
それでは、社会保険労務士試験がどのような試験なのか、試験の構成をご紹介します。試験は次の2つの方式から構成されていて、どちらの試験も、同じ日のうちにお昼休憩を挟んで行われます。(1) 択一式試験(210分間)……計70点満点(1科目10問・各1点×7科目)
択一式の問題70問に解答。
出題方法は、5つの選択肢の中から正解と思われるものを1つ選びマークシートに記入する、五肢択一方式です。
(2) 選択式試験(80分間)……計40点満点(1科目1問・各5点×8科目)
選択式の問題8問に解答。
出題方法は、文中に5ヵ所の空欄を設け、その空欄の部分を選択肢(20の語群)の中の適当な語句で埋め、完全な文章とするもので、選択した語句の番号をマークシートに記入します。
それぞれの試験で問われる科目は以下の通りです(択一式・選択式それぞれで配点は異なります)。
- 労働基準法
- 労働安全衛生法(択一式・選択式いずれも労基法とセットで出題)
- 労働者災害補償保険法
- 雇用保険法
- 労働保険料徴収法(択一式のみ、労災保険法及び雇用保険法それぞれとセットで出題)
- 健康保険法
- 厚生年金保険法
- 国民年金法
- 労務管理その他労働に関する一般常識(選択式では単独、択一式では社会保険とセットで出題)
- 社会保険に関する一般常識(選択式では単独、択一式では労務管理とセットで出題)
この科目数を見るだけでもボリューム満点ですが、9.と10.の一般常識の中には、試験での出題率は低いものの労働法関係では労働契約法や男女雇用機会均等法等、社会保険法関係では介護保険法や国民健康保険法等が含まれており、法律の数としては膨大になります。
しかも、合格基準は選択式と択一式それぞれの総得点と、科目ごとの得点に設定され、そのいずれか1つでも基準に達しない場合は不合格となるため、不得意科目を作らないことが合格のためには大切になってきます。
また、税理士試験のように、科目別合格制度(1度合格した科目は生涯有効になる制度)はないので、1回の試験で全ての科目の合格基準をクリアしなければなりません。
したがって、決して簡単な試験といえるものでなく、合格するには一般に800時間程度以上は必要とされています。800時間というと、単純計算で1日3時間ずつ勉強すると267日、9ヵ月弱の期間が必要になるということです。
このため、標準的な勉強時間を確保したうえで、毎年8月の本試験に臨むにはおおむね前年の12月、もしくは少し余裕をもって11月くらいからスタートできるとよいでしょう。