●最近の動向
1997年以降、不動産特定共同事業法は何度かの改正を経て規制緩和が進んできました。
一口当たりの最低金額が1,000万円・500万円と段階的に引き下げられ、2001年7月には最低出資額の制限が撤廃されました。今後は、5万円、10万円といった、より少額から投資できるような商品の開発が期待されます。
また、対象不動産の入れ替えや出資持分の第三者へ譲渡が自由にできるようになり、より使い勝手が良くなってきました。
そこで、大手不動産会社の中には証券会社を通さず、不動産会社が自ら販売できる不動産特定事業法を利用して自社ビルを商品化する動きが見られます。
不動産特定事業のシェアトップの会社側発表によると、これまで供給された商品の予定利回りは2.45~3.5%、購入者は9割が個人で特に退職金の運用を目的とする高齢者が多いとのことです。
運用期間は5年・10年などで元本割れリスクを抑制するため、“優先劣後構造”を採用している商品が人気となっているようです。
“優先劣後構造とは、” 運用期間の満了時に万が一「不動産の資産価値」が下落していたとしても、投資家には優先的に残余財産の分配を行い、下落部分は事業者が被るというシステムです。事業者の持分以上に資産が下落してしまった場合に、はじめて、投資家の残余財産の分配に下落の影響が及ぶというシステムです。
次回はCloseUp!では、これら商品の内容とメリット・デメリットについてお話ししたいと思います。
お楽しみに。
[関連CloseUp!]
不動産小口化商品(その2)
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