家族ぐるみでNISAをフル活用!
NISAは一人で100万円までの投資元本に対する所得が非課税になります(詳細はここでは省かせていただきます)。100万円までと聞いて、な~んだそれっぽちかと嘆くなかれ。家族全員でやれば、300万円や400万円になるのではないですか?子どもや孫、そしておじいちゃん、おばあちゃんまで巻き込めば、けっこうな金額になるはずです。今回は、家族ぐるみでNISAをフル活用する方法を提案します。
※このケースで気をつけなければならない点は、優遇を受けられるのは20歳以上の日本居住者であるということです。未成年や海外居住者は対象になりませんので、そういう家族は除外して考えてください。
たとえば、サザエさん一家を例にして考えてみましょう。
磯野家の場合でNISAのメリットを考えてみると…
親は、磯野波平さんとフネさんです。その子どもは、サザエさん、カツオくん、ワカメちゃんです(全員が成人したと仮定してください)。サザエさんのご亭主がマスオさん。全員で6人の大人がいたとします(サザエさんの子どものタラちゃんは未成年で除外します)。成人が6人ですから、全員がNISAの届け出をすれば、600万円の非課税原資枠を得ることができるのですから、これはビッグです。
しかし、波平とフネさんは公的年金をたっぷりもらえているので、投資のことなど興味がありません。この中で将来のことを真剣に考えているのは、カツオくんでした。社会人になったばかりのカツオくんは、会社の先輩からNISAのことを教えてもらい、さっそく家族会議にはかります。
家族会議でカツオちゃんは、次のように提案をしました。
「サザエ姉さん夫婦は、マスオ兄さんのお給料から毎月積立で投資をしたらいいよ。毎月8万3333円(※)を超えた分から出た儲けには税金がかかるけど、お兄さんはそこまでの高給取りじゃないから心配ないでしょう」(※非課税原資枠100万円÷12カ月=8万3888円)
「問題は、僕とワカメだ。これからの日本は大変だから僕らの老後も真っ暗闇さ。その一方で、国民の個人資産の6割を高齢者が占めているんだって。ここは、父さん母さんの資産の一部を使って、恵まれない子どもたちに愛の年金作りを援助するってのはどうかな?」
こうして、カツオくんから家族の年金作りについて提案がありました。公平不公平という議論はあったものの、優しいフネさんの助け舟でおおむねカツオくんの意見が通り、家族会議で決まった磯野家の投資プランは以下の通りとなりました。
- 波平さんとフネさんは毎年100万円ずつ、分配金の出る海外債券投資信託を買うことにしました。そこから発生する分配金と5年後の売却益に対しては非課税です。
- マスオさんは、自分のお給料の中から、積み立てで株式投資信託を買っていくことにしました。毎月8万3333円の投資元本分までは非課税です。
- サザエさん、カツオくんとワカメちゃんは、波平さんの退職金から毎年100万円ずつの贈与を受けて、その資金でつみたて投資で株式投資信託を買っていくことにしました。
こうして、磯野家では年間600万円までの投資元本に対する非課税枠を使い切ることに成功したわけですが、一番得をしたのはお調子者のカツオくんであったことは言うまでもありません。NISAという降ってわいたようなビッグチャンスに乗じて、親からの生前贈与を勝ち取ったのですから、あっぱれです。
NISAと生前贈与の合わせ技も
実は、波平さんも相続税の心配をしている時でした。墓場まで持って行けないお金を家族に残してあげても、相続税でごっそり国に持っていかれたらかわいそうだと思っていたのです。親である自分たちのお金は投資で増やせる、増やしたお金は子どもに贈与して、将来の相続税や自分年金の用意をさせる。資産の移転も運用も、いずれも非課税でできたのは、NISAに加えて、贈与税の基礎控除を活用したからです。これは、受贈者一人あたり年間110万円までは税金ゼロで贈与できる仕組みです。
こうして、磯野家は末永く幸せに暮らしたとさ。めでたしめでたし。
※本文はガイドが想像した磯野家の未来像であり、原作者の許可を得たものではありません。
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