風通しがよくない、エアコンが遠いキッチンは夏に暑い
夏暑く、冬に寒いキッチンでは料理がついメンドウに。
1日のうちでキッチンにいる時間は意外と長いにもかかわらず、夏暑く冬に寒いようでは、料理にも身が入らず、毎日の家事が辛いものになってしまいます。
キッチンリフォームの際には、作業性はもちろんですが、居心地をアップさせることが、炊事をラクにしてくれる大きなポイントになります。快適なキッチンなら、凝った料理をしたり、お弁当を作ったりするのも気持ちよくできるようになり、家ご飯が更に充実します。
まずは、なぜ我が家のキッチンは夏に暑いのか?その理由をリストアップしてみましょう。
【夏にキッチンが暑い理由は?】
- 火を使うから
- 動きまわるから
- 狭い場所で熱気がこもりやすいから
- 風通しが悪いから
- エアコンの冷気が届きにくいから
- 直射日光が差し込むから
- 古い家で断熱性能が低いから
火を使うことに関しては、IHクッキングヒーターにすれば、少しは暑さが和らぎますが、それだけでは根本的な解決にはなりません。ガスでも電気でも、部屋全体の環境を改善するようリフォームの計画を立てることで、本当に料理がしやすい快適キッチンになります。
こんな間取りの家のキッチンは夏に暑い!リフォームの工夫で涼しく
夏に暑いキッチンを涼しく快適にするリフォームの間取り事例を、ビフォー&アフターでご紹介します。まずはビフォーから。下の間取りは、築20年前後の家でよく見られるプランで、北側に水まわりを、南側に居室をまとめたレイアウトです。このような間取りのキッチンは、概して夏暑く、冬に寒いのが特徴です。こんな間取りの家のキッチンは夏に暑い。リフォームの工夫で涼しいキッチンに(一級建築士事務所 OfficeYuu)
この間取りのキッチンが夏に暑い理由として、まず風通しが悪いことがあげられます。風通しをよくするためには、相対する壁の両側に風の入口と出口を作ることが肝心で、一方だけに窓があっても、風はなかなか抜けてくれません。このような間取りのキッチンは風が抜けず、熱がこもりやすくなります。
もうひとつの問題点は、キッチンがエアコンから遠く、また壁で囲まれているため、空調が効きにくい状態にあることです。
また冬は、北側にあるので日当たりが悪く、断熱性能が低い古い家では、床下や窓から冷気が浸入し、かなりの寒さを感じます。
風通しよく夏に涼しいキッチンリフォームの間取り事例
次はアフターです。大幅な間取り変更をしないでも、キッチンリフォームの際のレイアウトの工夫で、風通しよく、エアコンが効きやすい明るいキッチンにすることができます。ポイントは、風の入口から出口へ抜ける「風の道筋」を考えることにあります。キッチンを風の通り道にレイアウト。ユーティリティには通風勝手口を付けて明るく気持ちのいい空間に(一級建築士事務所 OfficeYuu)
キッチンを小さな空間から明るく広いダイニングへ移動、家の中で一番風通しがいい場所にレイアウトする間取りです。夏の風は南から北へ抜けるので、料理をしている間、風通しよく快適に過ごせます。もちろん、エアコンの冷気も届きやすくなります。
元キッチンがあったスペースには、洗濯機や収納、家事カウンターなどをまとめたユーティリティを設置。家事の動きを短く便利にすることで、ぐんとラクにこなせるようになります。
光と風を取りこむ通風勝手口。ドアを閉めたまま風が通る(LIXIL)
ユーティリティには勝手口を取り付け、洗濯物干しやゴミ捨てなどが便利にできるよう工夫しています。その際、閉めたまま風通しができる通風タイプを取り付けておけば、ドアを閉めたまま風と光を取りこむことができるので、狭く暗くなりがちな部屋が明るく気持ちのいい空間になります。
もちろん夏の暑さや冬の寒さを防ぐ基本となる、窓や屋根裏、床下の断熱リフォームも忘れずにしておきましょう。断熱リフォームはどれも簡単にできて、工事をしたその日から快適さが実感できます。手軽な窓まわりの断熱リフォームについては、下記で詳しくご紹介していますので、あわせてご覧下さい。
また下記では、キッチンリフォームで実際に起きた失敗事例をまとめてあります。計画前に一度ご覧になってみて下さい。
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