子供の教育/考える力

子どもは大人と同じには物を見ていない(2ページ目)

子どもと大人が物を見る仕方には違いがあります。その違いを意識して子どもと接することで、子どもの気持ちがより理解できるようになるでしょう。

高橋 公英

執筆者:高橋 公英

学習・受験ガイド


子どもは平面図形を正しく見られない

子どもに地図を描かせて見ればわかりますが、地図らしいものが描けるようになるのは小学校3年生くらいです。平面座標を意識して、さらに縦横の比率を同じにしてはなかなか描けないのです。

また点図形の模写をやってもらえばわかりますが、立体に見えるような課題や、非対称な図形の模写は子どもにとって苦手です。見えていないというよりは、脳の空間的な認知能力が未発達だからだと思います。

オセロゲームの一部

こどもは斜めの並びに弱い

子どもはオセロや五目並べで遊ぶ時に、斜めの並びを見落とすことがしょっちゅうあります。これも子どもの視覚の特性ではないかと思います。ただ、遊びながら「ここもだよ」と教えている内に、だんだんと斜めにも意識がはらえるようになるものです。

マッチ棒パズルで、課題と同じように並べるのも、なんとなく潰れた形になるものですが、本人は「どこかおかしい」とは感じるようです。これも同様に遊んでいると次第に正しい形に近づきます。

子どもにお手伝いを頼む時、お勉強の課題を与える時などに、こうした子どもの視覚の特徴を頭の片隅に入れておくと、失敗しても許せますし、無理な課題を与えずに済みます。

子どもに、正しく見ることを無理強いするのは良くありませんが、時と場合によっては、危険回避等のために注意深く見ることを要求しなくてはならない時があります。

そんな時には、具体的な指示をしないと目的が果たせません。「私の右手の人差指の先の、赤い印がついたところを見てごらん」のように明確に解るようにです。「ここ見て」と指さしても、指先のどのあたりを指すのかが解っていないことがあります。具体的かつ明確にが、子どもへの指示する際に注意すべきことです。


このように子どもは視覚を大人のようには使えていません。そのことを意識して子どもと接することで、気持ちのすれ違いを防ぐことができるのではないでしょうか。また、注意して見ることを意識させるような働きかけをして、見落としや不注意を少なくすることができるはずです。

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