年金

年金と税金~源泉徴収と確定申告(2ページ目)

公的年金のうち、老齢年金は所得税の課税対象となります。老齢年金に所得税が課税されると、確定申告が必要な場合があります。確定申告は会社員の人にとってあまりなじみのない制度かもしれません。今回は、年金の源泉徴収と確定申告についてご案内します。

原 佳奈子

執筆者:原 佳奈子

年金入門ガイド

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確定申告が必要な場合

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確定申告は、webサイトを利用して申告書を作成したり、e-Taxで申告手続きを行うことができます

次に、老齢年金を受給していて確定申告が必要な主な場合をみていきましょう。

1.扶養親族等申告書で申告できない所得控除がある場合
扶養親族等申告書で申告できる所得控除は、扶養控除、本人と扶養親族の障害者控除及び寡婦(夫)控除です。これ以外の所得控除は、確定申告により手続きを行う必要があります。対象となる人が多いおもな所得控除には、次のようなものがあります。

(1)雑損控除
災害や盗難で住宅や家財などに損害を受け、損害額(火災保険等の保険金で補てんされる場合は保険金を差し引く)が一定額を超えるとき、所得控除の対象となります。

(2)医療費控除
本人および生計を一にする親族(仕送りをしている子どもなど同居していなくても生活費を常に負担している親族は対象となります)が負担した医療費の合計額(保険金などで補てんされる場合は保険金を差し引く)が、10万円またはその年の総所得金額が200万円未満の人は総所得金額の5%を超えるとき、その超えた額を所得から差し引くことができます。なお、医療費には通院にかかった費用(自家用車を使用した場合のガソリン代や駐車料金を除く)や入院時の差額ベッド代・食事代なども含まれます。

(3)社会保険料控除
子どもや配偶者の国民年金の保険料などを負担している場合は、社会保険料控除の対象となります。

(4)生命保険料控除
生命保険や民間の個人年金保険、医療保険などに加入していて、負担する保険料が生命保険料控除の対象になる場合は所得控除が受けられます。

2.年金以外に所得がある場合
老齢年金以外に給与所得や不動産所得(アパート経営や駐車場経営の収入)、農業所得などがある場合は確定申告が必要です。ただし、年金収入が400万円以下でそれ以外の所得が年間20万円以下の場合は確定申告の必要がありません。

3.扶養親族の増減や障害の状態になった場合
扶養親族等申告書は毎年10月下旬ごろ送付され、12月初旬の提出期限までに返送します。申告書を提出した後に、扶養親族の増減があったり、障害の状態に該当・変更があった場合は確定申告が必要です。

これらの要件に該当する人は、確定申告を行う必要があります。確定申告は毎年2月15日から3月15日にかけて各税務署で手続きを行うほか、国税庁のサイトを利用して申告書作成・郵送する方法や、e-Taxを利用して申告書を作成・提出する方法もあります。
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