スポーツハイブリッドを名乗るにふさわしいフットワーク
メーター内のディスプレイにエネルギーフローや航続可能距離、ナビと連動した右左折などが表示される
しかしそうは言っても、スポーツハイブリッドを名乗る軽快なフットワークは、白眉といえるレベル。ワインディングを飛ばすようなシーンではとにかくノーズが軽く、グイグイと曲がっていく。
いわゆるノーズの軽さを実感できるものだが、これはボンネットフードとフロントサブフレームで使われたアルミにより前者で20kg、後者で10kg、合計で30kgもの軽量化を実現しているのが効いているのだろう。さらに、主に側突対策としてボディ骨格中央にハイテン材を使い、高強度と薄型化を実現している。
軽さを感じさせるフットワークは間違いなくアコードHV、アコードPHVの美点だが、パワステの手応えも好みがあるとはいえ、個人的にはもう少し重さとダイレクト感があればより本格的なスポーツセダンになりえるのでは、と感じた。
印象的な後席の広さ
身長185cmを基準として設計された後席は、足元、頭上ともに余裕の広さで、シートサイズも大きい
アンビエントメーターなど、インパネの先進的な作りは最近のホンダらしいが、以前よりもややギミック的な作りや光の使い方は薄れ、全体に大人の雰囲気とそれなりの質感を感じさせる。さらに、ユーザーとしてうれしいのはインターナビが全車に標準装備される点だろう。
室内は文句なく広い。アメリカ市場が主戦場になるセダンだけに、185cmの身長を基準にキャビンを設計しているそうだが、身長171cmの筆者が運転席に座りポジションを決めた後ろには膝前に30cm以上、頭上にも10cm以上の余裕が残る。身長180cm超の4人でロングドライブも十分にこなしてくれる広さも大きな魅力だ。
トヨタ・カムリと真っ向勝負
トランクは横幅、奥行きに余裕があり、床下にも小さなスペースを設けている
アコード・ハイブリッドのライバルは、カムリ・ハイブリッドやSAIなどのトヨタ勢だが、価格は365万～390万円で、304万～382万円のカムリとぶつけてきた。
スポーティな走りだけでなく、燃費でもカムリよりも7km/L近くよく、SAIよりも9km/L上回るから説得力はかなり高い。最近のホンダはミニバンだけでなく軽自動車重視のイメージも高まっているから、どれだけホンダ・セダンの復権を潜在ユーザーにアピールできるかに注目したい。
