<目次>
- 投資では「損をした時の自分の精神状態」を予想することが大切
- 投資をすることで生じる不安・精神的負担を減らす5つの方法
- 投資の不安解消法1.100万円程度の貯蓄を確保する
- 投資の不安解消法2.余裕資金を投資に回す
- 投資の不安解消法3.少額からはじめ、一度に多額の投資をしない
- 投資の不安解消法4.毎月決まった額で投資する「積立」を利用する
- 投資の不安解消法5.投資先を分散して価格変動の幅を抑える
投資では「損をした時の自分の精神状態」を予想することが大切
投資のルールというと、難しい専門用語がいっぱいあり、複雑な仕組みでは?と想像してしまいますが、投資を体験しながら、徐々に覚えていけばいいことがほとんどです。初めて投資をする際に、確認しておきたいのは、「損をした時の自分の精神状態」がどうなるかということです。投資をはじめると「%」で成否を考えがちです。でも日頃の生活で「%」で損得を考えるのはセールのときぐらい。「夏物80%OFF!」となっていれば飛びつきたい気持ちもわかりますが、実際の値札を見て、「なんだ、もともとの値段が高いだけじゃん」と思ったことはありませんか?そう、投資も「%」だけで成否を決めるのではなく、「金額」もチェックしたいものです。
たとえば、10万円投資したとして、10%上がったとします。1万円の儲けですね。逆に10%下がったとしたら1万円の損。同じ10%でも1万円の儲けと1万円の損。あなたは、どう感じますか?人間とは勝手なもので、1万円の儲けと聞いても「なんだ、そんなもんか」と思い、1万円の損と聞くと「あ~、1万円あれば夫婦でおいしいディナーが食べられたのになあ……」と、ひどくがっかりするものです。
これが100万円単位の投資になればなるほど、損をした時の「がっかり度」は双曲線を描くように高まります。がっかりで済めばいいのですが、損失の額によっては家計破たんを招くだけではなく、精神的な苦痛さえ伴うことになりかねません。逆に「10%値上がりしても、たったの1万円か、じゃあ2万円の儲けになるまで待とう」と思っているうちに株価が急落して、売り逃すということもよくある話です。
「だから、投資は怖い」と思うのではなく、自分の精神状態の限界がどこにあるのかを考えておくことが大事なのです。100万円投資をして株価が下がっても冷静な判断ができるのか、5万円の損でも耐えがたいと思うのか。それによって同じ金額で投資するにしても、スタイルを変える必要があるのです。
投資をすることで生じる不安・精神的負担を減らす5つの方法
投資することで生じる不安を解消するには、5つの有効な方法があります。- まずは100万円程度の貯蓄を確保する
- 余裕資金を投資に回す
- 少額からはじめ、1度に多額の投資をしない
- 毎月決まった額で投資する「積立」を利用する
- 投資先を分散して価格変動の幅を抑える
投資の不安解消法1.100万円程度の貯蓄を確保する
損をしたときに、がっかりする、精神的に耐えられないと感じるのは、そのお金は減らしてはいけないお金だったからです。資金的に余裕がないと、いざという時に動かせるお金がないために、余計な気苦労を背負わないといけません。その上、投資で損をしてしまったら、「やっぱり投資をしなければよかった」となってしまいます。まずは、最低でも半年から1年、何かあっても生活できるだけの資金、100万円程度は貯蓄しておきたいものです。投資の不安解消法2.余裕資金を投資に回す
そのうえで、近い将来使う予定があるお金は別にしておき、残った余裕資金があれば、それを投資に回すようにしましょう。1年後の旅行資金を少しでも増やそう!と投資するのはそれはそれでアリですが、減ったときには、ホテルのランクを落とすことになり、旅行の楽しみも半減してしまうかもしれません。ましてや住宅購入の頭金や2~3年後に使う子どもの教育費などは、着実に貯蓄に励むほうが賢明です。投資の不安解消法3.少額からはじめ、一度に多額の投資をしない
「よし!投資をはじめよう」としたとき、あなたはそのお金をどう使いますか?50万円の余裕資金ができたとします。ありがちなのは「50万円以下で買える株を探す」「50万円を外貨預金しよう」と、一度に投資をしてしまうことです。50万円のうち、まずは10万円で1つ何かをやってみる。やってみて価格の動きをチェックしたり、価格が下がっても気持ちが揺れないか確認してみる。そんなことからスタートしましょう。免許取り立てでF1レースに参加できないのと同じです。投資の不安解消法4.毎月決まった額で投資する「積立」を利用する
とはいえ、投資をはじめようという気持ちは大事。余裕資金もあるなら、放っておく手はありません。投資でも貯蓄のように「毎月決まった額を積み立てる」仕組みがあります。一度決めてしまえば、毎月自動的に買い注文を出してくれるので、あれこれ悩む必要がありません。そのうえ、価格が高いときは少しの数量、価格が低いときは多くの数量を買い付ける仕組みなので、必然的に買い付け価格が平均化され、価格変動の幅を抑えることができるのです。毎月の貯蓄から1万円など少額を投資に回すことからはじめるといいでしょう。
投資の不安解消法5.投資先を分散して価格変動の幅を抑える
さらに、毎月数万円は投資に回せるという場合には、同じ投資先1つに絞るのではなく、複数の投資先に分けることが大事です。たとえば、日本、米国、アジアというように国やエリアを分ける、株式だけではなく債券にも投資をするというように運用する商品を分けることが重要です。こうしておけば、ある投資先の成績が悪くても他の投資先の成績がよければ、マイナス分をカバーしてくれるからです。以上のように、投資のルールといっても、ごくごく当たり前のことばかりです。しかし投資のベテランさんでも、慣れてくると忘れがちなことでもあるのです。投資には、「こうすれば絶対成功する」という秘策はありませんが、「こうすれば損を最小限にできる」という方策はいっぱいあります。ぜひ、心にとどめておいてください。
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