投資をする前に確認しておきたい「投資スタンス」

undefined将来のための投資なら、すぐに大きな結果が出なくてもOK。長い目で見て資産を増やすことを目指そう

将来のための投資なら、すぐに大きな結果が出なくてもOK。長い目で見て資産を増やすことを目指そう

ゴールデンウイーク明け、日経平均株価が1万5000円台をつけ、2万円突破も!?と騒がれましたが、5月23日に株価は急落。その後も下落が止まりませんでした。

でも、考えてみてください。昨年末、日経平均は1万円以下だったのです。アベノミクス効果で円高から円安に、米国の景気回復によって株価は急激に上昇したのです。株価が一本調子で上がり続けることは考えにくく、過熱した市場がいったんは調整に入ったと見てもいいのではないでしょうか。6月25日時点では1万3000円台で落ち着きを取り戻しています。ただ、そう冷静でいられる人ばかりではなく、株価の変動に右往左往してしまう人が大半でしょう。

株価や為替の変動に一喜一憂してしまうのには理由があります。それは、投資に対してのスタンスが明確ではなかったから、と言えるでしょう。そもそも、株に限らず、投資をする意味ってなんでしょう? 「みんなが投資、投資って言っているから」「1日で何十万円も儲けた人がいるって聞いた」「今なら自分だって儲かるチャンスがあるかもしれない」。そんな安易な考え方では、相場のカモになるだけです。

日本は長引く不況により、政策金利はずっと限りなくゼロ。銀行にお金を預けていても一向に増えません。定期預金に100万円預けても1年で受け取れる利息は200円以下。これでは、お金を貯める意欲も湧いてきません。でもだからといって、いきなり投資にシフトして、年に数%の運用益を得る、というのは無謀というものです。年1%でも定期預金金利の5倍です。それを投資だからといって、10%、20%の利益を得ようとするのは、おかしな心理です。

とはいうものの、せっかく投資をするなら、少しでもお金を増やしたい、というのは当たり前のこと。それならば、なぜお金を増やしたいのかを考えてみるといいでしょう。

なかには、子どもの教育資金のため、マイホーム購入のためという人もいるでしょうが、大半は、「将来の不安」「老後資金」と答えるはずです。それであれば、投資をして1年後、2年後に大きな結果が出なくてもいいわけです。10年、20年スパンで、全体として資産が増えている、これが理想的な投資スタンスと言えるのではないでしょうか。

投資をしないリスクも考えてみる

一方で、それでも投資はコワイ、損をするのはイヤ、と投資を敬遠する人も少なくありません。極端な話、ライフイベントにかかる費用の準備ができており、老後資金もたっぷりあり、この先の人生が安泰、という人は投資をしなくてもいいでしょう。

しかし、そんな人はごく一部の人だけです。みんな将来に不安を抱え、この先ちゃんと生活していけるのだろうかと思っているのです。その不安のひとつは、今「アベノミクス」で騒がれている「インフレ」です。給料も上がらないのに、物価だけが上がれば、いくら節約しても乗り切れるものではありません。

「インフレ」になると、物の値段が上がり、以前なら100円で買えたものが100円では買えなくなります。100円は100円で変わりはありませんが、買える量が減れば100円の貨幣価値が下がったということになります。

では、その差をどうやって埋めればいいのでしょうか。現在持っている100円の価値を物の値段の上昇に合わせて高めるしかないのです。100円を101円、110円にする策をとることです。これが、「お金を運用すること=投資をすること」なのです。つまり、投資は儲けるためという側面もありますが、貨幣価値を維持、高めるものとも言えるのです。

もしも投資をしなかったとすると、物の値段は上がり、今あるお金はどんどん目減りしていくわけです。もちろん、物の値段の上昇に対応できるように給料が上がれば問題ないわけですが、「アベノミクス」の効果が賃金に反映されるまでには、時間がかかると言われています。手をこまねいていないで、自らの手で自らのお金の価値を高める必要があるのです。

消費者の目線からすると、物の値段が安いほうが生活がラクのように感じます。だから「デフレ」で構わないという人もいます。その心情はわかりますが、デフレの状態が長く続き、日本の経済力は落ちたまま、先行きも不透明、将来の生活は不安ばかり、仕事もいつなくなるのかとおびえながら生活するのが本当にいいのでしょうか?

インフレといっても、現在、日銀が目標にしているのは2%。これは先進国の中では決して高い数字ではありません。経済が成長していくには、ある程度のインフレになるのは、必要なことなのです。

「円」の資産しか持っていないことのリスク

投資が必要な理由は、もうひとつあります。それはリスクの分散です。

投資そのもの自体、リスクが生じるものなのに、おかしなことを言っていると思うかもしれません。ここで言うリスクとは、「円」の資産しか持っていないリスクのこと。日本で暮らしているのだから「円」しか持っていなくて当たり前と思われるでしょう。しかし、企業は輸入にしろ輸出にしろ、円を他国の通貨に替えて取引をしているわけです。日本経済が低迷したひとつの理由は、極端な円高になり企業収益が落ち込んだからです。

消費者からすると、円高で海外旅行に安く行けるし、輸入品は安く手に入る。いいことづくしに思えますが、自分が働いている企業が輸出メインであれば、企業収益が落ち、ひいては賃金が下がるということになるのです。どれだけ頑張って働いても円高のせいで賃金が上がらないなんて、やりきれない話ですよね。

個人資産でも同じことが言えます。「円」しか持っていないと、為替相場の変動で勝手に「円」の価値が変わってしまいます。将来的に「円」が同じ価値のままということはないのです。その際に、「円」だけではなく他の通貨も保有していれば、仮に、円の価値が下がっても、他の通貨がマイナス分を埋めてくれる、そういうバランス感覚がこれからは重要だといえるでしょう。

このとき、必ずしも他国通貨の現物を持つ必要はなく、他国に投資するマネー商品を利用することで、その代用となります。つまり、「円」以外の資産を持つというのは、日本以外の国にも投資をすることで、円の目減りリスクを抑えるということを意味しているのです。

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