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国際人に育てたい親、留学なんて面倒くさい子ども(3ページ目)

グローバル時代到来に備えて、子どもをインターナショナルセンスとリーダーシップを備えたポジティブでアサーティブでセルフエスティームの高い国際人に育てましょう、って何語でしょうね? 「国際化」に前のめり気味な親に比べて、子どもたちは「留学なんて面倒くさい」とすっかり内向き指向だと伝えられる昨今。そのギャップはどこから来るのでしょうか?

河崎 環

執筆者:河崎 環

子育てガイド


「グローバル人材なんて育ててる場合じゃない、買ってきた方が早い」?

だから今、内向きの学生やサラリーマンの尻を叩いてグローバル人材なんて育成してやる手間とカネが惜しい、と主張する人がいる。実際、体力が衰えた企業は見る間に「社費留学」をカットし、海外で海外大学卒業者を獲得したり、海外法人では現地人の雇用を進めたりしてきた。グローバル人材なんて、育てるより買ってきた方が早いしカネもかからない。もともと島国(根性)ゆえに海外との行き来が少なく、しかも内向き志向まで見せ始めた現在の日本で、それはどうしようもない事実だ。

しかし、それだけで「グローバル」人材獲得の問題を済ませるわけにはいかない。海外調達するのみでは、国内の人材資源がやせ衰えるだけである。

企業の目論見としては、自発的に大学あたりで留学して学位も海外センスも持っているような学生がいっぱいいれば育てなくていいのに、というところだ。でも学生たちは目の前の「就職」にいっぱいで、海外へ飛び出す勇気も資金もない。

「快適」だけど「退屈」、日本は二重構造?

ひょっとすると、「グローバル人材の育成が必須」だなんて20年以上も言われ続けながら、本当に機能できる「グローバル人材」は、日本で学ぶことをとうに放棄し、日本で働くことを放棄して海外に飛んで行ってしまうのではないか? 本当に日本が必要な人材は、流出しているのではないか?

「外」を見よ、と育てた結果、「内」に落胆して去られてしまうのが今の日本の姿だとすれば、それは日本が二重構造なのだ。「内向き」の人にとってはとことん快適で、「外向き」の人には生きづらく退屈な日本。

下の世代に学べ、変われと口うるさく指示する前に、上の世代が変わらなきゃならないことも、まだまだ山積みなのかもしれない。
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