マネジメント/組織マネジメントとは

コンプライアンスは組織存続の必須要件(2ページ目)

「組織の7S」は円滑な組織マネジメントをおこなう上での基本要件でしたが、組織運営においては7S以前になくてはならない大前提要件としての「コンプライアンス」というものが存在します。「コンプライアンス」の存在しない企業は「ブラック企業」として排除の憂き目に会う運命にあるのです。「コンプライアンス」という考え方が日本に定着した経緯を追いながら、その正しい解釈について解説します。

大関 暁夫

執筆者:大関 暁夫

組織マネジメントガイド


「コンプライアンス」不在企業は「ブラック企業」

このような過去の事例からお分かりいただけるであろう「コンプライアンス」の正しい解釈は、「合法であるか否かにかかわらず企業モラルの観点から、許されない行動を行なわせないよう組織をコントロールする仕組み」のことなのです。一見するとこの「コンプライアンス」という仕組みは、収益追求のブレーキになるかのような錯覚を起こさせますが、実は収益追求のための立ち振る舞いを定めるものであり、「コンプライアンス」なくして収益追求はあり得ないと考えるべきものであるのです。

解説

どこからがブラック企業なのかの議論は絶えない

昨今、世間で何かと話題の「ブラック企業」論議。これも突き詰めれば、「コンプライアンス」違反があるか否かこそがその分かれ道になっているわけで、単に法令を守っているか否か、が問われているわけではないと言う事がお分かりいただけると思います。「たとえ合法であってもコンプライアンス違反」は存在するわけで、マネジメントにおいて重要なことは、「合法であるか否か」ではなく「企業モラル」の観点から考えて問題がないか否かをしっかりと見極めたうえで組織行動の可否を判断すること、なのです。「うちは関係法令を守っています」という弁明は、「ブラック企業」ではないことの証明にとっては必要条件ではあるものの十分条件ではない、ということでもあるです。

「組織の7S」は円滑に組織をマネジメントをしていくために整えるべき基本要件でありましたが、「コンプライアンス」への正しい取り組みは、現在において企業の存続そのものを可能たらしめる組織マネジメントの大前提要件であると言っていいでしょう。「コンプライアンス」不在の組織は「ブラック企業」として退場を命ぜられる運命にあるということを、十分理解した上で組織マネジメントはなされる必要があるのです。
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