テクノポップ/アーティストインタヴュー

pLumsonic!これまでの歩み(5ページ目)

デビュー作リリースの際、インタヴューしたpLumsonic!のお二人、Yasushiさんと結羽さんに再度、登場頂きました。彼らは、長寿イベント「電脳マニアックス」でもお馴染みの空想科学テクノポップ・ユニット。2枚目から5枚目となる最新作『colorful capacitor』までの歩みについて一気に訊いてみました。 にょきー!

四方 宏明

執筆者:四方 宏明

テクノポップガイド

5th『colorful capacitor』

ガイド:
では、最新にして5thとなる『colorful capacitor』(2013年)について。カタカナになっていますが、タイトル曲の「カラフル・キャパシター」は、キャパシターって普通の人はあんまり日常会話で使わない用語ですが、コンデンサーの事ですよね。やはり空想科学ユニットとしては、このあたりでキャパシターに登場してもらわないとか言う意気込みなのでしょうか?

colorful capacitor (Amazon.co.jp)
colorfulcapacitor

colorful capacitor



colorful capacitor (YouTube)

 

yk:
確かに同じ物を指す言葉ではあるんですが、コンデンサという今普通に使う言葉だとどうしても小さな電子部品をイメージしてしまうので、それとはニュアンスの違うキャパシタというのがしっくりきました。『Back to the Future』に登場する次元転移装置もフラックス・キャパシターですし。あと、コンピュータ、スピーカとか普段「ー」を使わないくせにわざと「キャパシター」と伸ばしてみました。何となくですけど(笑)。

結羽:
ありゃ、アタシの頭の中はそのフラックス・キャパシターのイメージしかなかったです~(笑)。

ガイド:
2曲目の「新宿meteoroid」で、新宿という街を選んだ理由は? 「電脳マニアックス」は池袋ですよね(笑)。

yk:
なんででしょうね(笑)自分は最近新宿駅の南口に降りたら何か巨大な建造物ができようとしていて、景色が変わってしまうな~と思っていたりしたのですが、2039年から来た結羽にとっては普通にこの歌のような新宿が日常なのかもとか……。

結羽:
新宿のが語呂が良かったからですっ(笑)。

ガイド:
「電脳キュビズム」は、pLumsonic!の時代の針が進んだ曲じゃないかと感じます。特にイントロ。この辺り、5thとしてひとつの方向性だと思っていいのでしょうか?

yk:
そうですね。好き勝手に個人的な懐かしさを追及しているpLumsonic!にしては時代が少し違う感じがするかもしれません。改めてそうやって聴いてみると自分がソロというかアニメ方面の曲に感じに近いかもしれません。らき☆すたの「有頂天in da House~Say That Hip Hop Shit!~」とか、KORG PS-60のデモ曲として作らせてもらった「Psychedelic Spacelab」とか。でも、実はBメロは最近のオシャレなテクノポップにはまず出てこない歌謡曲っぽさというか、80年代的な熱を持たせていたりします(笑)。この辺がpLumsonic!らしいというか。

KORG PS-60

結羽:
そうそう、この曲もらった時「おや、いつもと違う感じだ……!」って戸惑ったの思い出しました(笑)。pLumsonic!らしい完成まで、あーでもないこーでもないとかなりディスカッションしました。

ガイド:
Yasushiさんは、アニメやアイドル等にも曲提供をされているとの事ですが、pLumsonic!の作品を作る際とは、意図的に変えている部分とかあるのでしょうか?

yk:
やっぱりpLumsonic!は誰にも頼まれてないというか、作るときに誰の顔も想像しないで作っているという部分が違いますね。全部自分のやりたいことしかやっていなくて、別に作らなくても良いし、作りたいと思ったものを自然に出していく。あと、自分は子供の頃から絵を描いても下書きの段階がなぜか好きな所があって、学校でどうしても色を塗って完成させろと言われるのが残念でならなかった。と言うとpLumsonic!が作りかけみたいに思われても困ってしまいますけど、そうじゃなくて何かこう、完成品の隙間にまだ想像の余地がある感じ。きっと自分の中でのイメージだけなんでしょうけど、アニメなどの仕事ではもっとガッチリ完成品の製品にしているイメージがありますし、逆にアイドル系は声が入った後のモノにこちらでは一切責任が持てませんというのがあります(笑)。余談ですが、最近のアイドル系はガッチリAutoTune等のケロケロボイスに仕上がってくるものもあるので、そこまで声を加工するならシンセ音の一部としてもう少し細かくこちらで処理したかったな~と思うこともたまに。
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