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アメリカ編2 米国永住権が取得できるワケ?

前回、投資をすることによって、米国永住権を取得できる事をお伝えしました。今回は、その中身をもう少しかみ砕いてご説明したいと思います。

佐藤 益弘

執筆者:佐藤 益弘

不動産にまつわるお金ガイド

前回、投資をすることによって、米国永住権を取得できる事をお伝えしました。
今回は、その中身をもう少しかみ砕いてご説明したいと思います。

投資家永住権とは?

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投資家永住権とは?
もともと、この投資家永住権は、米国が不況にあえいでいた1991年に米国内の雇用の創出を目的として制定された法律に基づいています。

つまり、投資して、雇用を創造してくれるなら、居住権をあげよう! ということです。

ただ、当初はかなり条件が曖昧で問題点も多かったため、1998年に一時中断され、2003年に今のルールで再開されました。
ですから、ヨーロッパや韓国ではすでに2003年8月から大々的に応募が開始されていて、2004年の7月頃より移民局が応募者に対し認可をし始めています。

日本では2005年8月30日にこの方法に基づいた最初の永住権が在日米国大使館より発給されています。

実際、この投資家永住権(移民及び国籍法(INA)の第203(b)(5)条、合衆国法8の1153(b)(5)により)割り当てられている永住権ビザは年間1万件。
そのうち、5,000件前後が後ほどお話しする「移民局指定の地域センター内の投資プログラム(例外規定)」に基づいて申請した方に割り当てられているようです。

ただ、この法案は2008年までは施行されますが、その後も継続されるかどうか? 現在のところはわかりません。

ですから、チャンスを得たい方はここら辺を考えて行動したいモノです。


具体的に・・・EB-5投資家永住権カテゴリーの中身は?

下記の1.基本規定 と2. 例外規定 があります。(1$=120円として換算)

1.基本規定
1)新しい事業あるいは経営困難に陥っている事業にUS100万ドル(約1億2000万円)を投資して、2年以内に10名の米国人従業員を雇用する。
2)失業率が米国平均失業率の150%を超える地域に50万ドル(約6000万円)を投資して、2年以内に10名の米国人を雇用する。

2.例外規定
米移民局が指定した地域センター(Regional Center)内の新しい事業、再生事業、あるいは経営困難に陥っている事業にUS50万ドル(約6000万円)の投資を行い、2年以内に間接的に雇用を創出する。

この費用の中に手数料などは入っていませんが、かなりハードルが高いかもしれません。
ただ、移民局が指定した特定地域に投資を行えば、比較的有利な条件(投資額がUS50万ドルに免除され、現地従業員の雇用も間接的に創出するというハードルが低い条件)で、申請ができるわけで、夢をつかみたい人はトライする価値はあると思います。

ただ、米移民局によるEB -5投資家永住権カテゴリーが2003年8月からと日が短く、事例も少ないため、どのプロジェクトが安全な投資であるか? あるいは永住権を確実に取得できるかの判断は大変困難になっています。


不動産投資で米国永住権が取得できるワケ?

先ほどの「特定地域内」は2005年末現在、米国内に20ヶ所以上存在しています。
ただ、具体的には「カリフォルニア州フレスノ周辺のアーモンド・グローブス」への投資など数種類だけが紹介されているにすぎません。

また、投資対象は、老人施設や介護施設への投資、酪農や農業等への投資、またはそれらに伴う不動産事業など限定されていて、単なる「不動産投資」が対象になっているわけでないのです。

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1.老人施設や介護施設などの事業に投資を行う。
返金保証をする投資プログラムが多い。投資対象はあくまでも「新規事業」か「経営困難に陥っている事業」になります。つまり、社会貢献という観点からはとても有意義な投資ですが、将来の事業展望が見えないケースが高い投資になりますから、この投資から収益を取得するのは難しいでしょう・・・というより、経済的な観点で行う投資ではないという認識が必要でしょう。

2.酪農や農業などの不動産投資も伴う事業に投資を行う。
返金保証をする投資プログラムが多い。投資対象が「新規事業」か「経営困難に陥っている事業」である点は、前記1.と同じです。また、その事業に伴い行う不動産投資についても「建築物が立てられない」など・・・強い規制があることが多く、酪農や農業などの事業事態も自然環境に左右されるので、将来の事業展望が見えづらいでしょう。

3.不動産再生事業を含めた不動産事業に投資を行う。
古い建築物と土地を購入後、リニューアルを行い、その不動産を賃貸する・・・通常の返金保証のない、純然たる不動産投資事業を行います。つまり、投資対象が「新規事業」あるいは「経営困難に陥っている事業」ではなく、“再生事業”を行う”ということです。
前記1.2.と異なり、将来の事業展望が見えやすく、この投資から収益を取得することも難しくはないと思います。

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つまり、「失業率が高い地域」の「新しい会社」あるいは「経営困難となっている会社」に投資を行わなければならないという点がネックで、このような業種は経営力がキーポイントになります。

もし、「元金保証および返金保証」が約束されていたにしても実際にできるかどうかの予測がつかないのが現状です。

最近は返金保証をしているプログラムもあるようですが、投資期間が長期に設定されていたり、過去において返金の実績が無いのが弱点です。

プログラム毎に条件も異なっており、移民法の規定を満たし永住権が取得できたにしても投資金の回収に関して注意しなければなりません。

お金さえあれば破格のスピードで居住権を取得することはできますが、移住後の投資の話も同時に考えなければならず、個人で片付けるのはまず不可能でしょう。
例えば、日本にも所在するアルビス社などの米国の移民弁護士などの力を借りなければならないはずです。
(余談ですが・・・このEB-5投資家永住権の申請者の規定には、経歴や英語能力は問わないことになっています。)

ただ、長期安定的な収入が確保するには 3.の「不動産投資」に基づいたプログラムがわかりやすいと思います。

では、その具体的な話しは・・・

次回、「不動産投資で海外移住!アメリカ編3 不動産投資で移住後の生活も安心!」 に続く
※記事内容は執筆時点のものです。最新の内容をご確認ください。

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