不動産売買の法律・制度/不動産売買ワンポイントアドバイス

マンションの面積表示

マンションの面積表示には、パンフレットなどに使われる「壁心面積」と、登記で使われる「内法面積」とがあり、それぞれの違いについてしっかりと理解しておくことが欠かせません。なぜ壁心と内法の2種類が使われているのか、その背景や法律の規定なども知っておきましょう。

執筆者:平野 雅之

【不動産売買ワンポイントアドバイス No.008】

マンションの面積

マンションの面積表示には、壁心と内法とがある


マンションでは、それぞれの部屋の床面積(専有面積)を表すのに、壁心(へきしん・かべしん)による方法と、内法(うちのり)による方法とが用いられています。壁心面積は部屋を取り囲む壁の中心線をもとに測るものであり、内法面積は壁の内側の部分だけを測るものです。

壁の厚みの半分ずつが面積に加算されるため、壁心のほうが広く表示されます。また、室内に突き出した太い柱が多ければ、そのぶん面積の差は大きくなります。さらに、壁心面積にはパイプスペースやメーターボックスなどが含まれている場合もあります。

新築分譲マンションのパンフレットや販売図面では壁心面積が用いられ、これを登記する際には内法面積が用いられます。住宅ローン控除の面積要件では、登記面積が50平方メートル以上であることが求められるため、壁心面積で50平方メートルを少し上回る程度のマンションを購入するときには、十分に注意しなければなりません。

壁心面積と内法面積とが併存することで分かりづらい面もありますが、内法面積が用いられるのはマンションなど区分所有建物の専有部分を登記するときだけです。同じ登記でも、マンションの各階床面積(1フロア全体の面積)や一戸建て住宅などの床面積は、壁心によって求めることになっています。

さらに、建築基準法による床面積の算定でも壁心が用いられます。ただし、不動産登記法と建築基準法とでは、床面積に算入する部分、算入しない部分の規定が違うため、表示される面積が大きく異なる場合もあります。

マンションの販売において「初めから内法計算による登記面積を表示するべきだ」という意見もみられますが、登記面積は原則として建物が完成し(少なくとも内装工事が完了した段階で)、土地家屋調査士が現況調査・測量を実施したうえで確定するものです。理論上は設計図書から算定することも可能とはいえ、内装工事の変更で壁の厚みが変われば内法面積も違ってきます。

建物完成後に土地家屋調査士が測量して決定すべき内法面積を、建物完成前の販売段階で表示することは、法律の規定上も齟齬をきたすことになるでしょう。そのため「不動産の表示に関する公正競争規約(施行規則)」でも、マンションの専有面積の表示は壁心によることを基本とし、「中古マンションにあっては、建物登記簿に記載された面積を表示することができる」としているにすぎません。

マンションのパンフレットや間取り図などを見るときには、壁の厚みのぶんが面積に含まれていることを意識するとともに、パイプスペースやメーターボックスなど、部屋の外の何が含まれ、何が含まれていないのかを確認することが必要です。


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