不動産売却・査定/不動産売却の流れ・基礎知識

売却前のリフォームは効果的?

高く売るためのリノベーションではなく、第一印象を良くするためのメンテナンスをリフォームと考えます。ほんのちょっとしたひと手間が、競合物件との差別化につながり、費用対効果の高い売却のために施策となるのです。

楯岡 悟朗

執筆者:楯岡 悟朗

土地活用・不動産査定ガイド

売却前のリフォームは効果的?

「リフォームすれば高く売れるでしょうか?」
「売る前にリフォームするべきですか?」

よくこんな質問をする売主がいます。実際のところはどうなのでしょう? 売却の現場から見ていきましょう。

まず、この場合の売主が考えているリフォームがどんなものかというと、主に、

・クロスの張替え
・フローリングの張替え
・畳の表替え
・水周りのクリーニング

renove

一般的になったモデルハウスのようなリノベーション住宅の室内。ここまで手を入れれば高く売ることも

といった簡易的なものだと思います。物件の広さ・規模にもよりますが、かかる費用もそれほど高額ではないはずです。この程度のリフォームで高く売れる効果が期待できるのかと言うと、残念ながらリノベーション住宅というスケルトンの状態からすべて一から室内を作り直すことが一般的になった昨今、ほとんど期待出来ません。

ただ、「高く売れる効果がない」、というだけで全くリフォームの意味がないかというとそんなことはありません。メンテナンスも行わず、何も手を入れていない競合物件と比べたら、差別化にもなるので「売れやすく」はなります。

ちなみにリフォームとリノベーションの区別をするために、今回は「リフォーム=簡易的で高額でない」、「リノベーション=スケルトンにして部屋を一から作りなおす。高額」と考えることとします。

費用対効果を考えてみましょう

高く売るためにリフォームを検討するなら、スケルトンの状態にしてから全面改装。つまりリノベーションで物件の価値を底上げしない限り、高く売る効果を得るのは難しいでしょう。また、仮に300万円かけて全面改修したところで、かけた費用以上に高く売れる保証はどこにもありません。かけた費用を回収出来ないリスクもあるし、費用対効果としてあまり良いものではありません。

現在は購入する人のほとんどが、大なり小なり入居前にリフォーム・リノベーションを行うのが当たり前の時代です。クロスの色一つとっても、自分なりのリフォームをしたい人が多いです。仮にリフォーム・リノベーション費用を出す心づもりがあるのであれば、その金額分安めに売りに出したり、価格交渉に応じるといった対策を講じた方が、自分の財布は傷みませんし効果は高いはずです。

そうした背景を考えると、これからの時代、高く売却しようとするのではなく、多数ある競合物件と差別化させることを目的としたリフォームを検討する必要があります。どういうことかは次ページで詳しく解説しましょう。

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