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生前からの罪はあるのか? 人の心にある「氷点」

あまりに有名な原作ですが、映画だと「氷点」「続氷点」と分かれている事をご存じでしょうか?原作の氷点を読んだときは途中で終わってしまうことに驚きました。こちらの映画は、そのここで終わってしまうなんて、までをきっちり映画化しています。

投稿記事

「続氷点」までをきっちり映画化

■おすすめの理由
あまりに有名な原作ですが、「氷点」「続氷点」と分かれている事をご存じでしょうか?数回映像化されている中で自分が観たのは続氷点までも含んだものでした。原作の氷点を読んだときは驚きました。ここで終わってしまうなんて、と。こちらの映画は、そのここで終わってしまうなんて、までをきっちり映画化。しかし、それが観る者にある種の問いかけを残して余韻の残るものとなっています。

犯罪者から生まれた子供は生まれながらにして罪を持っていると言えるのか? 生きるために他の生き物を殺して食べる、全ての人間は生きる為に罪を犯す。とはよくあるテーマでもあります。 が、生まれた瞬間から、もっと言えば生まれる以前からの罪という壮大な問題提起です。

出世の秘密の為だけでなく娘が美しく育った為に家族が微妙に変化していく様を丁寧に描いている点も素晴らしいです。嫉妬する母、目のやり場に困る父、妹でなく女性として好意を抱いてしまう兄。 といった様々な感情を実にさりげなく上手に表現されています。

■作品名「氷点」

監督:山本薩夫 
主演:若尾文子
販売元:角川書店

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