東映の大奥シリーズ第3弾
大奥に召されたことによる三姉妹の愛憎劇第十一代将軍徳川家斉の側室(御台所)が三十路になり、お辱を辞退したころ、家斉は大奥にやってきた三姉妹の次女おあき(長女の部屋子)に目をつけます。
家斉はやがておあきに執心するようになり、他の愛妾に目を向けなくなったため、御台所の地位は揺らぎ始めます。
大奥内はおあきに味方するものと御台所につくものとの2派にわかれ、御台所の部屋子である三女お町も御台所派につくことになり、姉妹は敵対する運命に翻弄されていきます。
まだ映像技術や科学技術も高度でないころの、大奥劇は豪華絢爛です。
いまのように機械にたよって作られたセット、小道具は少ないのではないでしょうか。
昔ながらの製法で作られたものに囲まれたセットの中で、必然的に役者の演技もひきたてられているように感じます。
リアリティを感じる。
昨今の大奥ものがこれら昔の映画を踏襲しているだけではないかと思ってしまうほど鮮烈です。
大奥では血は水よりも薄きものという姉のことばをしずかに聞くおあき。
家斉と大奥をしのび出て下町の祭りへ繰り出す際のいきいきとしたおあき。
大奥のなかで最後まで清く正しく生きようとするおあき。
そんな熱演に涙がでてしまいます。
大奥シリーズの中でも、おすすめの一本です。
■大奥絵巻
監督:山下耕作
主演:佐久間良子
DVD販売元::東映ビデオ