沖縄と中国の時空が繋がる脅威の手法を開発した問題作
■監督小林悟、邵羅輝
■主演
香取環、扇町京子
■DVD発売元
クラウン徳間ミュージック
本作に初めて触れる人は「あれ? 2つの作品じゃないの?」と思うことでしょう。
実はコレ、大蔵映画の見事なプログラムピクチャー水増し大作戦なんです。
美しい比嘉産業の社長令嬢・玲子と結婚した健生。
ある日、玲子の父親が急死したため、健生が社長を就任します。
しかし、謎の熱病に冒され危篤状態に……。
健生は自分の死後、玲子が他の男に走るのではという不安から、中国の怪談を語りだします。
荘周という学者が美しい妻・田花夫人を残し仙界へ修行に向かいます。長年の修行の末、下界に戻った荘周は、夫人が浮気していないか試そうと仙術で死んだフリをします。未亡人となった夫人の前に、美しい王子が現れるや心を奪われ、そのまま屋敷に住まわせて結婚することになります。
初夜、突然苦しみだす王子は、夫人に「この病は人間の脳みそを食べれば治る」と語ります。それを聞いた夫人は荘周の脳みそを食べさせようと棺を開けると、荘周が生き返り、王子の姿は消えてしまいます。実は王子は夫人の心を試すため、荘周が化けていたのです。夫人の不貞を糾す荘周。狂乱した夫人は火災に巻き込まれて死んでしまいます。
その話を聞いた玲子は、自分がどれだけ健生を愛しているか証明するため、自ら右目をつぶします。
何故か病気が全快した健生は、醜くなった玲子に愛情を持てなくなり、ホステスの朱美と浮気。
玲子殺害計画を実行し、健生と朱美は結婚しますが彼らの前に玲子の亡霊が現れるようになり……。
人間の情と業の恐怖を描いた奇妙ながら、味わい深いホラー映画です。