人の欲が渦巻くファミリーストーリー
■監督イワン・プィリエフ
■主演
ミハイル・ウリヤーノフ、マルク・プルードキン、リオネラ・プイリエワ
ロシアと言えば、文豪ドストエフスキー。そしてドフトエフスキーと言えば?
そう。 この「カラマーゾフの兄弟」です。
つい最近も、たしかNHKだったと思いますが、舞台を日本におきかえて、連続ドラマが放映されていましたね。
この映画を観たのは、大学生の時分です。
友人のひとりがロシア音楽映画好きで、彼女に触発されて「いっちょ文豪に挑戦してみるか」と、大学の図書館で分厚い本とこの映画のビデオを借りて視聴覚室で見ました。
頭が痛くなりました。そのあまりにも濃い人間模様と……
なんでしょう? ひとの欲というものに。
当時20歳にすらなっていない小娘には、強欲な父親と、生き方も性格もそっくりな長男、神を否定しながらも誰よりも求める頭でっかちの次男に、よく言えば清純、悪く言えば単細胞な三男の、愛憎渦巻くファミリーストーリーは早すぎたようです。
親子でひとさまの愛人を取りあったり、父親が外でつくった恨みに凝り固まった子供がでてきたりと、お昼のメロドラマのような怒涛の展開。
それでもロシアの立派な顎髭、眉間にしわのよったおじ様やお兄さんが演じれば、「人間の深奥を鋭くえぐる」人間ドラマになるんですねぇ。
この紹介文を書くにあたり、ひさしぶりに見返した感想が、それです。
あなたはどう感じるか。ぜひご自分の目と心で、お確かめ下さい。