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ビリヤードを通じて描いた人間ドラマ「ハスラー」

人生の悲哀をビリヤードを通じて描いた「ハスラー」は、ポール・ニューマンの役者としての名声を確固にした名作です。本作の主眼は、ビリヤードそのものではなく、バートとの緊迫感溢れるやり取りや、エディの挫折とそこからの大勝負への描かれ方といった人間ドラマの方。ラストのひとり残されたエディの姿は、ビリヤードと人生との、その勝ち負けの難しさを象徴しているような素晴らしいシーンです。

投稿記事

息をのむ緊迫感と、背負う人生のカッコよさ

■作品名
ハスラー
■監督
ロバート・ロッセン
■主演
ポール・ニューマン

人生の悲哀をビリヤードを通じて描いた本作は、ポール・ニューマンが役者としての名声を確固にした名作です。
ジェームズ・ディーンやマーロン・ブランドとアクターズスクールで同期でありなが、この二人に遅れを取っていた彼は、この作品での名演によって、二人に並び、トップスターの地位を手に入れました。

ニューマン演じる若手ハスラー、エディが、無敗の帝王ミネソタ・ファッツに勝負を挑み、破れる。
彼はファッツに再戦を申し込むための資金を得るために、賭博師のバートを頼ってケンタッキーでの大会に挑む。エディはなんとか勝利するものの、一足先にホテルに戻ったバートに恋人を傷つけられ、恋人は自殺。
そんな中での、最後のファッツとの大勝負は……。

なんといってもこの作品、ポール・ニューマンがかっこいいんです。

ビリヤードのシーンは、確かな強さを感じさせてくれるかっこいいものです。
くわえタバコのニューマンが、ワンカットで次々とボールをポケットに落としていくところなんかは、おそらく大変な練習を積んだのでしょうけれど、そんなことは微塵も感じさせないクールさがあります。

しかし本作の主眼は、そういったビリヤードそのものではなく、バートとの緊迫感溢れるやり取りや、エディの人生における挫折、そこからの大勝負への描かれ方というか、人間ドラマの方に置かれています。

最後、ひとり残されたエディの姿は、ビリヤードと人生との、その勝ち負けの難しさを象徴しているような、すばらしいラストシーンです。


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