理想の男性像のような人が演じるステキなコメディ映画
『男性の好きなスポーツ』
■監督ハワード・ホークス
■主演
ロック・ハドソン
■DVD発売元
ユニバーサル
アメリカ映画文化というものはなんとも奥が深いもので、この映画はおそらくアメリカ映画におけるジャンル分けで言えば、「スクリューボール・コメディ」というところに分類されます。
おもに戦前、変人男女の恋の過程を描くジャンルです。
そんなものがジャンルとして存在すること自体、すごいし、変だなぁと思いますが、まあそれはいいとして。
本作の監督は娯楽映画の職人として世界中から尊敬を集めた、ハワード・ホークス。
主演は、50~60年代のハリウッドを代表するスター俳優、ロック・ハドソン。
長身ハンサム、筋骨隆々、むかしのアメリカの理想の男性像のような人ですね。
そんなハドソンが、釣りのできない釣具のセールスマンを演じます。
釣りができないくせに釣りの教習本を出してそれが大ヒット、おかげで釣りの大会にゲストとして招待されてしまったロジャー(ハドソン)に、主催者側の女性が猛アタック。釣り大会でも、偶然に偶然を重ねて連日好成績を上げてしまうし、彼女のあまりのおてんばに引きずり回されるし。
そんなこんなで最終日、大会の結果は……。
この映画はハワード・ホークスの作品の中では地味な映画の一つなのですが、笑える映画なんです。いかにも男性的なハドソンが、テントは張れない、泳げない、魚を触ることすらできない、
どこかのお嬢様のような男を演じるのですが、ズボンのチャックは空いたままだし、浮き輪代わりの空気入りズボンのせいで水中逆立ち状態になるのですから、もう可笑しくて。
ホークスの特集上映ですらあまりかからないため、見る機会は多くない作品ですが、
機会があれば決して見逃してはいけない、ステキなコメディ映画です。