美しい顔立ちだからこそ不気味さが引き立つ、アラン・ドロンの存在感
■作品名太陽がいっぱい
■監督
ルネ・クレマン
■主演
アラン・ドロン
■DVD/Blu-ray発売元
紀伊國屋書店
■おすすめの理由
裕福な青年と貧しい青年、対照的な二人に一人の美しい女性。そこに起こる、ある犯罪。
スリリングな展開と美しい映像に引き込まれます。青い空と照りつける太陽、青い海。海の風や照りつける太陽の感じまでもが伝わってくるような映像美です。
描かれている犯罪トリックは稚拙に思えるところもあるのですが、今のように情報伝達技術が進んでいない当時だから成立するものであり、興味深いです。全てが計算であったようにも、あるいは激情にかられた末の結果であったようにもとれるのです。
主演のアラン・ドロンの存在感も素晴らしいです。
焦り、安堵、怒り、悲しみ、喜びといった様々な感情が封印されたような表情の中で異様にギラついた目が印象に残ります。美しい顔立ちだからこそ、不気味さが引き立っているようです。
題名でもある「太陽がいっぱい」。
太陽はいつだって一つのはずなのに。
謎めいたこの言葉も深く心に残ります。