遺作「PINK SPIDER」は、今も多くの人の心を捉えている
■アーティスト名hide
■おすすめの作品
PINK SPIDER
ソロ活動を本格的に開始した矢先に突然他界してしまったhideさん。
衝撃の死から今年で15年を迎えました。
1989年にメジャーデビューしたX JAPANのギタリストとして活躍し、1993年ソロデビューを果たします。97年12月31日にX JAPANが解散し、年明けから精力的にソロ活動を始めたものの残念ながら98年5月2日に急逝されました。
私はX JAPANの曲はそれほど好みではありませんでしたが、94年のhideさんのシングル「TELL ME」で、X JAPANにこんな曲を作る人がいるのかと驚いたものです。X JAPAN はハイハットの音が目立ち透明感を感じますが、hideさんは正統派のハードロックで私の好みでした。98年1月の「ROCKET DIVE」で、これからも注目しようと思ったのですが……。
hideさんが亡くなったのは入学後1ヶ月頃で、同じ専攻の友人と驚いたことをよく覚えています。彼女とはそれからいろいろな話をするようになり、hideさんの曲と大学生活の思い出は切り離せません。余談ですが、翌年も落語家の桂枝雀さんが他界されたときも話が弾んだ思い出があります。
おすすめ曲を挙げるとすればPINK SPIDERです。hideさんの遺作として知られた曲ですが、遺作ではなくてもかなりヒットしていたのではないかと想像しています。骨太なサウンドとミステリアスさのあるメロディに、独特の世界観が表現された歌詞も印象的です。間奏の女性のセリフも「HIDE FUJIKO」としてhideさん自身が担当していますが、このリズム感の絶妙さが気に入っています。
この曲で、ピンクスパイダーは蝶の羽で飛行を試みるものの、失敗して墜落してしまいます。この歌詞が死と関わっているという説もありますが、私はこの蜘蛛はまた「桃色の雲が流れる空」を目指して飛ぼうと努力するような気がします。
他のアーティストがカバーすることには賛否両論ありますが、カバーバージョンを聴くことで改めてオリジナルの魅力を発見することができます。PINK SPIDERをカバーするアーティストが多いことから、この曲がいかに多くの人の心をとらえているかが分かります。
ROCKET DIVEも非常に好きな曲です。オリジナルも好きですが、布袋寅泰さんのカバーも素敵です。こちらは布袋さんのメッセージが実に泣けます。