はじめに
私は開業前からメールマガジンを発行していました。内容はもちろん法律で、読者は行政書士受験生や受講生が対象です。ただ、「メールマガジンはSEO対策にもなる」と書籍にも書かれており、途中からはSEO対策の一環として力をいれていきました。一般の方を対象するものに変えていったのです。幅広い読者を満足させるということは大変でした。毎週、話題や内容はもちろん文章までも吟味を重ねたのです。今振り返っても大変な作業でした。しかし、それが、思わぬ副産物をもたらすことになります。
突然のアプローチ
私はメールマガジンで、「難しいことをいかに簡単に伝えられるか」ということに気を遣いました。これは、予備校講師としても要求されるスキルでもあり、こだわりを持って作成を続けました。メールマガジンに没頭する日々を送っていたのです。その結果、毎週、少しずつ読者が増えて小さな賞も頂きました。私の悪い癖なのですが、「読者を増やす喜び」にとらわれていきます。本業そっちのけでメールマガジン作成に取り組みつつありました。また、SEOのときと同じように本質を見失い、脇道にそれかかっていた、そのときです。突然、出版社からアプローチがあったのです。
出版への道
苦労して毎週作成したメールマガジンが出版社の目に留まり、出版の依頼を受けることになったのです。これには正直驚きました。このようなチャンスが巡ってくること自体が奇跡です。流行りの自費出版ではありませんし、開業して半年くらいしか経っていないのですから。
嬉しい気持ちの反面、戸惑いや不安でいっぱいでした。でもやるしかありません。チャンスを自ら放棄するようでは絶対に成功などあり得ません。
執筆は機会があったら是非やりましょう。
私が依頼を受けたのは、会社設立の手続きに関する実務書の執筆でした。会社設立に、どんな書類が必要か、どう記載するか、どんな印鑑を押印するかなど、言うなれば会社設立の手引書。つまり、マニュアルです。
出版というはじめての経験で悪戦苦闘しながらも、様々なサポートをして頂いて、何とか出版にこぎつけることができました。2004年8月のことです。