年金

国民年金に未加入・未納がある場合はどうなるの?(2ページ目)

平成24年9月から3年間に限り、10年前までさかのぼって国民年金の保険料を納付できる「後納制度」が施行されています。対象となるのは未納となっている期間の保険料です。国民年金の未加入・未納の違いや未納期間がある場合について解説します。

原 佳奈子

執筆者:原 佳奈子

年金入門ガイド

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国民年金の未納期間の保険料を後納すると?

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10年以内の未納保険料を納付して、年金額を増やすことができます

未納期間の保険料は2年以内に納付しないと、時効により納付することができなくなります。未納が続くと、現在の国民年金の老齢基礎年金の受給資格を満たせない可能性があります。また、平成24年8月に成立した年金法改正で、平成27年10月以降、受給資格期間は現在の25年から10年に短縮されるため、未納期間があっても受給資格は満たせるかもしれませんが、受給できる年金額が低額になってしまいます。

そこで、将来の年金が低額になってしまうのを防ぐため、平成24年10月から平成27年9月までは、未納期間の保険料について、10年以内であれば納付できる保険料の「後納」制度が利用できます。後納する保険料は未納した保険料に利息が加算された金額(2年以内であれば利息は加算されません)で、平成25年度に後納する場合の保険料は以下の通りです。
後納保険料

(日本年金機構HPより)

なお、後納制度が利用できるのは以下の要件に該当する人です。

(1)20歳以上60歳未満で、現在から10年以内に未納期間がある人
(2)60歳以上65歳未満で、現在から10年以内に未納期間、または60歳以降の任意加入期間で未納期間がある人
(3)65歳以上で老齢年金の受給資格がなく、現在から10年以内に未納期間、または60歳以降の任意加入期間で未納期間がある人

ただし、老齢基礎年金をすでに受給している人は後納制度が利用できないので、(2)に該当しても繰上げ支給の老齢基礎年金を受給している人は後納制度が利用できません。

該当する人には、日本年金機構から後納制度に関するお知らせが郵送されています。お知らせを受け取って後納を希望する場合は、同封されている申込書を年金事務所に送ると、後納保険料の納付書が郵送されます。

それでは、保険料を後納すると、老齢基礎年金の受給額がどのくらい増えるのか、事例を使って比較してみましょう。


【例】
サトウショウタさんは昭和48年4月20日生まれの40歳で、大学卒業後、両親とともに自営業を営んでいます。国民年金の保険料を納付するようになったのは35歳からで、15年間も未納期間があります。サトウさんの国民年金の保険料の納付歴は以下の通りです。
 
サトウさん

 

サトウさんが60歳までのあと20年間、国民年金の保険料を納付した場合、保険料を納付した期間が全部で25年(300月)なので、受給できる年金額は

786,500円×300月/480月=491,600円
(平成25年4月時点の年金額,100円未満四捨五入)

になります。

サトウさんが現在から10年前にあたる平成15年6月~平成20年3月までの保険料の後納を行った場合、保険料納付済期間が58月増え、老齢基礎年金の受給額は以下のようになります。

786,500円×358月/480月=586,600円
(平成25年4月時点の年金額,100円未満四捨五入)

試算の結果、受給できる年金額が10万円近く増えることになります。

保険料の後納制度が利用できるのは、平成27年9月までです。未納となった月から起算して10年以内の保険料が後納の対象なので、月ごとに保険料の納期限を迎えます。また、後納するとどのくらい年金額が増えるかはねんきんネットで試算することができます。
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