子供と大人の違いを意識する
子どもは大人と違うやり方で世界を見ている
例えばある幼稚園児が作文で、次のようなことを書いていたそうです。
A先生が新婚旅行から帰って幼稚園に出てきてB先生に名前が変わっていたけれど、顔は同じままだったと。
つまりその子の解釈では、名前と顔は一対一に対応しているもので、名前が変わったら人も別になるはずだと思っていたわけです。
あるいは「ミックス」ということばがあります。『3種類の果物の果汁を混ぜてミックスジュースを作りました。すると2種類の果物で作ると「ニックスジュース」になると答える子どもが出てきます。ミックスのミを三と勘違いしたために、二+ックスという造語を編み出してしまったのです。※』
【参考引用文献】
※『ふしぎなことば ことばのふしぎ』 著:池上嘉彦
子どもは言葉を案外厳密に適用して、例外を認めない傾向があります。おとなは経験的に様々なルールの逸脱を知っているので、曖昧さにも寛容です。
ですから、例えば片手を開いて「パー」を覚えた後で、今度はそれが数を表す「五」であるということを、すんなり理解できない子がいても不思議ではありません。それなのに「これは五でしょ。どうして分からないの!」と叱っては子どもが気の毒です。
こうした大人と子どもの理解の違いによる間違いは、しょっちゅう起きているのですが、大人はそのことに気づきません。もう少し子どもの側に歩み寄ってやりたいものです。
>「子どもが理解できる言葉で話しかける」に続く