10周年を迎えた「六本木ヒルズ」
東京メトロ日比谷線「六本木」駅から、地下通路を広尾方向に進むと、まもなく「六本木ヒルズ」に辿り着く。所謂駅直結型である。大きくくりぬかれた円のなかをエスカレーターが上っていくが、この先進の街を象徴する巨大な吹き抜け、ならびに(森タワーまでの)アプローチ広場こそが、じつは再開発事業としての「六本木ヒルズ」の真骨頂なのである。都市インフラとして、積年の課題であった(麻布十番からの)環状3号線と六本木通りの平面接続を「麻布トンネル」にて果たし、その上部に「六本木ヒルズ」を訪れた車両交通(駐車場出入口など)の階層を据え、そして西麻布方面に向かう歩行者のための連続性を確保した3層構造の人工地盤。「六本木ヒルズ」には年間4,000万もの人が訪れるというが、このアイデアを知る人は果たしてどれくらいいるだろう。幹線道路との一体開発を実績として持つ同社のスキルが、現在建設中の「環状2号線プロジェクト『虎ノ門ヒルズ』」に活かされていることはいうまでもない。
「貸ビル業を効率的に営むなら、建物の形状は真四角が最適」。とあるデベロッパーの言葉だ。無駄なスペースを生まず、メンテナンスも楽。しかし、都市を構成するひとつの要素として建築物を捉えた場合、「アーバンデザイン」は自社の収益よりも優先すべき上位概念である。「六本木ヒルズ」は、自らそれを実験し、実証しているようにも思える。
「この10年で一番変わったことは、ベビーカーを押す姿が増えたこと」(同社住宅事業部 事業推進室 長谷川聡子さん)。「六本木ヒルズレジデンス」の住み心地に関しては、これまでも何度か取り上げてきたが、あらためて次の記事でご紹介しよう。対象住戸は南西の角部屋。お楽しみに。
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