100年店ランチ/東京の100年店ランチ

むさしや(洋食/新橋/創業1885年)

愛宕山の焼き芋販売がルーツ……今回は新橋で文字通り“オヤジ”の頼れる存在、行列が絶えない人気洋食店の「むさしや」をご案内します。

菅野 夕霧

執筆者:菅野 夕霧

100年店ランチガイド

 新橋駅から1分、行列の絶えない洋食店「むさしや」

ビル内通路に面した同店

ビル内通路に面した同店

“おやじの街”と評され、お父さんたちの懐に優しい飲食店が数多くある新橋エリア。JR新橋駅・烏森口を出てすぐに、外壁が印象的なニュー新橋ビルがあります。昭和の雰囲気プンプンのこちらの1階には、“大当たりの名所”と言われる有名な宝くじ売り場もありますね。

そんなニュー新橋ビルの中に入り、お昼時を中心に行列ができている店があります。青地に白い文字で“ムサシヤ”の看板。そう、そこが老舗洋食店の「むさしや」です。通路と客席を隔てるのは、白いすだれ。ほぼシースルーなので、食べている人たちの様子が丸わかりでしょうか。やはり新橋らしく、スーツ姿のおじさんたちが中心客層です。店の壁には、店名の右側に“創業明治拾八年”の文字が……さりげなくではなく、堂々と主張していますね。

創業は1885年(明治18年)

むさしやの原点は、新橋近くの愛宕山で焼き芋などを売る店です。そのスタートは1885年。その後、新橋に移転。現在のように食事を提供するようになったのは、昭和の高度経済成長期に入ってからです。

お昼を中心に日々行列ができる同店

お昼を中心に日々行列ができる同店

こちらの連載ですでにご紹介している店では、銀座の「そば所よし田」「天國」も1885年誕生の同期組ですね。ではむさしや創業の1885年とはどんな時代背景だったのでしょうか……。

1883年に落成した鹿鳴館。それから数年のことを鹿鳴館時代と呼ぶことがあります。海外からの来賓や外交官をもてなす社交の場としてオープンするも、行き過ぎた欧化政策や文明国主張のあり方に疑問を呈した時代でもあります。女性の束ね髪によりリボンが流行、西洋の日傘なども流行ったという史実も。そんな最中、むさしもその産声を上げています。

では、新橋のサラリーマンの強い味方である洋食店へと参りましょう
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