強豪ひしめくCセグに登場した世界戦略車

フォードフォーカス

世界120カ国以上で販売される、フォードのグローバルプロダクトとなるコンパクトモデル。日本で販売されるスポーツは専用ボディキットやスポーツサスペンションなどを備える

2013年の今、世界で、そして日本で最も熱いセグメント&マーケットといえば、欧州Cセグメントである。要するにそれは巨人VWゴルフの君臨するコンパクトハッチバック市場のことで、世界的なモータリゼーションの加速とともに発展の一途を辿っている。メルセデスベンツやボルボといったプレミアムブランドも真剣に参入を果たした超有望なマーケットだ。

いみじくもボクが記したように、Cセグメントというとゴルフのイメージが強く、他に思い浮かぶモデルが少ない。けれども、世界中の人々に同じような質問を投げかけたとき、返ってくる答えとして意外に多いのは、このクルマじゃないだろうか。

フォード フォーカス。

グローバルマーケットを見据えて、単一モデルで世界展開を図る、フォードの中核モデルである。そもそもフォーカスは、打倒ゴルフを目指して欧州フォードが“真剣”に生み出したCセグコンパクトカーだ。なかでも初代は、一時はゴルフをセールス実績で上回るなど、非常に評価の高いモデルであった。日本市場へも導入され、マニアックな人気を博したものの、フォード日本の戦略変更(=よりアメリカンブランドらしく)により、2代目途中から輸入はストップしていたものだ。

苦戦の日本市場、まずは“目利き”に

フォードフォーカス

ボディサイズは全長4370mm×全幅1810mm×全高1480mm、ホイールベースは2650mm。上下2分割の台形グリルなど、フォードのデザインコンセプト(キネティック・デザイン)を用いたスタイルに仕立てられている

第3世代となってはや2年。ようやく13年に日本導入がはじまったわけだが、もはやこれからのフォードはアメリカやヨーロッパといったフレーズにしばられることなく、世界のフォードとして各マーケットを開拓していくという意志の現れであろう、日本仕様は全量がタイの新しいフォード工場で生産されている。

とはいえ、基本のコンセプトデザインはヨーロッパ志向である。もちろん、今もって最大のライバルは、VWであり、オペル、ルノーといったノンプレミアムブランドのCセグモデルだ。要するに、ライバル達の資質は非常に高い。激戦区、最もハイレベルな商品開発競争が展開されている市場向けに開発されたモデルだから、当然、その完成度は相当に高い。

日本仕様は、今のところ2リッター直4を積むスポーツの1グレードのみ、で、価格も293万円と、ライバルたちの価格リストと見比べれば、ちょっと割高に思えるプライスタグだ。フォードの小型車という認識の難しさと相まって、日本市場での苦戦は織り込み済み。フォード日本としても、何も日本市場でゴルフと対等の勝負をしたいと思っているわけじゃない。

本当にクルマの運転が好きで、フォーカスの良さを分かってくれるごく少数の“目利き”に乗ってもらえれば、まずは成功だと思っているはずだ。逆にいうと、彼らもプロダクトには自信を持っているはず。
フォードフォーカス

本革とファブリックを組み合わせたハーフレザーシートを採用。ステアリングに備わるスイッチで操作することで、オーディオやハンズフリー通話などが行えるフォード独自のSYNCを備えた