子育て/子供の性格

子どもの恥ずかしがり屋・引っ込み思案な性格を克服・改善する方法

子どもの恥ずかしがり屋・引っ込み思案な性格は直すべき?子どもの心理は?今回は心理学を活用した引っ込み思案・恥ずかしがり屋対策をお伝えしていきます。親にとっては、幼稚園、保育園での別れ際に泣いてしまったり、発表会などでモジモジしてしまったりという子供の姿は、もどかしく、そして、切ないもの。一体どうすればいいのでしょうか?

佐藤 めぐみ

執筆者:佐藤 めぐみ

子育てガイド

引っ込み思案な子どもには心理学を活用したアプローチで!

子供の恥ずかしがり屋・引っ込み思案な性格を克服・改善する方法

恥ずかしがり屋の子の心理を踏まえた対処法とは?

「うちの子、引っ込み思案で困っています」「自分から友達の輪に入っていくことが苦手なんです」このような積極性についての悩み、親はもどかしい気持ちでいっぱいになります。こんなとき、親は何をしてあげられるでしょうか? この記事では、心理学から見た「恥ずかしがり屋の克服法」をご紹介します。

<目次>

引っ込み思案・恥ずかしがり屋の子の本音とは?

心理学の研究で、
  • 新しい環境に入っていけるかどうか
  • そこにすばやく慣れることができるか
  • 環境の変化への順応が早いか
は、生まれつきの要素が強いとされています。つまり、その子が引っ込み思案かどうかは、ある程度生まれたときに決まっているというわけです。

筆者自身、極度の引っ込み思案で、幼少時に親を相当困らせた経験の持ち主なので、恥ずかしがり屋のお子さんの気持ちが痛いほどよく分かります。親から「ほら、頑張って!」「しっかりしなさい!」と言われても、「それができるなら、やっているよ!」というのが本音。やりたくてもできないから困っているんですね。恥ずかしがり屋の子にとっては、新しい環境に入っていくことは、とてつもなく高いハードルなのです。

そんな自身の経験も踏まえ、心理学を活用した恥ずかしがり屋対策をご紹介します。

ステップは2つ。
  1. 強みを強化する
  2. 慣れを起こす

順に見ていきましょう。
 

引っ込み思案な子どもへの克服アプローチ1. 強みを強化する

好きなことで自信をアップ!

好きなことで自信をアップ!

元々、恥ずかしがり屋な子に、親が直球勝負してもなかなかうまくはいきません。この場合の直球勝負とは、ママが「ほら、いってらっしゃい!」「大丈夫、がんばって!」と子供の背中を押してしまうことです。背中を押してあげるのは、子供の心の準備が整ってから。

まずは、その子の強みを強化するのがおすすめです。かけっこ、お絵かき、お歌、ダンス、あやとり、なわとび、しりとり……。得意なもの、好きなもの、没頭できるもので自信をアップさせ、そこを踏み台にして世界を徐々に広げていく方法です。

以前、イギリスで、ある日本人の男の子の経験談を聞きました。その子はイギリスに着いた当初、英語がまだ上手く喋れず、しかも極度の恥ずかしがり屋。でも、得意のサッカーを通じ、イギリス人の中に入るきっかけをつかんだのだそうです。

人は、自分が自信を持っている分野だと、堂々と振舞えたり、おしゃべりになったりするものです。この少年のように、「ボクはこれ!」という自分の世界を作れると、そこからもらうエネルギーでシャイな自分をカバーすることができるのです。

恥ずかしがり屋の子は、人数が増えるほど緊張する傾向がありますので、まずはママと、そして、1人、2人と仲間を増やしていくことをおすすめします。

小学校に上がる前のお子さんであれば、
  • ママがほめ言葉をかけつつ、その子の好きなものに対する自信をアップ
  • なわとび友達、あやとり友達、など同じ興味を持つ友達をまず1人見つける
  • そこから、2~3人のグループへと広げる
というステップがおすすめです。

恥ずかしがり屋の子は、大きなグループでワイワイやるよりも、小さなグループで自分の世界を持つことに幸福感を感じます。「友達100人できるかな」の歌詞ばりに大きな世界を求めてしまうと、その子は自分らしさを押さえつけたり、我慢したりして過ごさねばなりません。

自分の世界を持てる子は、とても幸せな子です。まずは自分らしさを感じられる場所を作れるように、サポートをしていってあげましょう。
 

克服アプローチ2. 恐怖症の克服にも用いられる「慣れ」の力を活用

とはいえ、学校生活の中には、苦手だけれどやらなくてはならないこともあります。発表会などはその代表例でしょう。そんなときに活用できるのが「慣れ」の力。

人間は日々の経験によって、持って生まれた部分を強化していくことが可能です。いわゆる「慣れ」というもの。繰り返し繰り返し同じことを行うことで、「あ、ワタシにもできる!」「慣れれば大丈夫」という気持ちを起こさせるのです。現代の心理療法でも、恐怖症の克服などは、この「慣れ」の力を利用しています。

芸能界もそうです。デビューしたてのころは受け答えがぎこちなかったアイドルでも、場数を踏むと見事に慣れてきますよね。あれと同じです。それくらい「慣れ」というものは、私達の気持ちを強くする効果があるのです。
 

発表会(みんなの前で話す)のときの活用例

気持ちに不安要素があると、本番で頭が真っ白になりやすいことが分かっています。引っ込み思案・恥ずかしがり屋の子は、人前に出るだけで不安が高まりますので、事前に不安要素を1つでも減らしておくに限ります。

たとえば、「セリフが上手く言えるかな?」という不安がよぎると、本当にセリフが頭から飛んで行ってしまうことがあります。これはどんな人でもそうです。恥ずかしがり屋の子は、その不安がさらに大きくなってしまう傾向があります。そこで慣れの力!

人の倍、緊張してしまう分、人の倍、余分に練習し、セリフに対しての「慣れ」を引き起こしておくのです。頭が真っ白になってもセリフだけはスラスラ出てくるくらいに予行練習を重ねておくと、自信アップにもつながり、本番でびっくりするほど落ち着いて対処できたということも起こりえます。
 

恥ずかしがり屋な性格は変わらない…でも強みでカバーできる

以上、引っ込み思案対策について2つのステップをご紹介してきました。自身の経験から言うと、恥ずかしがり屋の部分は大人になっても健在です。持って生まれた気質は変わらないのです。でも、大人になるまでに何百回、何千回と積み重ねてきた「なんとか大丈夫だ」という経験が、自分の中の恥ずかしがり屋の部分を守ってくれるようになります。
  • 強みを育てる
  • 慣れを引き起こす
この2ステップをお子さんの不安を和らげる対策として活用してみてください。


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