いじめ問題
次に目立つのは教育問題をあつかうグループ。タイミング的にいじめ問題が中心になります。『35歳の高校生』は米倉涼子のブレザー姿をスタート前からプッシュしていて、コメディ調になるのかと思いきや学校のいじめの構造をリアルに描き意外にシリアス。大人が「最近の学校はこうなっているのか」と知るにはいいドラマですが、土曜21時枠をよく見るティーン層にとっては『ごくせん』のように現実から飛躍したドラマが見たいようで、トップの『ガリレオ』を追撃するまでの勢いはありません。
『家族ゲーム』は森田芳光監督・松田優作主演の映画版とは違ったはなしとして健闘しています。
『幽かな(かすかな)彼女』はアカネ(杏)が地縛霊のため部屋から外に出られないため、クライマックスでは浮遊霊の吉岡さん(佐藤二朗)が活躍するという、中心がどこにあるんだかよくわからない構成でした。しかし3話からその問題も解決、上昇傾向です。
視聴者を選ぶ
米倉涼子とダブル涼子のライバル? 篠原涼子主演の『ラスト・シンデレラ』は数少ないアラフォーもの。ヒロイン・遠山桜はガサツな性格で恋にご無沙汰、そのためヒゲまではえてきますが、裏があるとはいえ若い佐伯広斗(三浦春馬)に言い寄られるなど、メイン視聴者層がみたいストーリーを展開してがっちり心をつかんでいます。
ただメイン視聴者層からはずれている人にとってはちょっとご都合主義的と見えます。性に対してあまりにあけすけなのも気になるところで、視聴者を選ぶドラマです。
ガイドおすすめ
意外に楽しめるのが『雲の階段』。「外科もこなす無資格医」という設定に、第一話を見たときは「島の中だけならともかく、認められて東京で活躍するというのは無茶だろう」と思っていたのですが、島編が終わる三話まで見ると納得させてくれました。
その説得力を産んだのは、最初はまわりの状況に流されるだけだった主人公・三郎が強い意志と野望を持つにいたる過程を描いた心理描写と、長谷川博己の演技。
三角関係メロドラマの側面もニセ医者設定と複雑にからみどうなるか見もの。特に第一話を見て脱落してしまった人におすすめです。
視聴率グラフ