行政書士試験/行政書士のキャリア・開業

資格取得後の独立体験記 第1回「開業への道」

開業してから10年が経とうとしています。様々な問題に直面し、どのような思考過程を経て行動してきたかなどを中心に、この10年の紆余曲折を記していきたいと思います。受験生、開業を目指す方や、行政書士に興味を持っている方々にご興味を持って頂けたら幸いです。

山本 直哉

執筆者:山本 直哉

行政書士ガイド

はじめに

開業してから10年が経とうとしています。合格者や受験生から、開業についてのご質問をよく受けます。巷には開業して成功するための本があふれています。成功する方法はそれらを参照してください。

私は、0から開業を始めて、様々な問題に直面し、どのような思考過程を経て行動してきたか、この10年の紆余曲折を記したいと思います。このような記述も有益だと思っております。回数を設けてなるべく詳細に記述していくつもりです。

受験生、開業を目指す方や、行政書士に興味を持っている方々にご興味を持って頂けたら幸いです。

講師になるために受験

私は大学を卒業して進学塾講師や家庭教師をしていました。しかし、25歳前後から、司法試験を通じて勉強してきた「法律」を教える講師になりたいと思うようになりました。そのためには、法律系国家資格を取得して、予備校講師になるしかありませんでした。

どの資格を選んで受験するか悩みましたが、試験科目、難易度、合格率などを考えて、行政書士試験を選択しました。社会保険労務士や宅建などの他の資格と比べて、教えられる法律科目が一番多かったからです。

受験当日から就職活動

合格を確信して受験会場から帰宅すると、すぐに講師採用試験の情報を集めました。むしろ、ここからが本番です。講師になるためには、行政書士試験よりも予備校の採用試験の方が重要でした。

本試験が終わっても気を緩めずに、苦手だった行政法を中心に勉強を続けました。その結果、「資格の大原」の大原学園に採用してもらいました。採用後、待合室で一人だけ必死に問題集を解いている姿が印象的だったと学校の人間に言われました。講師になりたいという気持ちは誰よりも強かったと思います。筆記試験も満点でした。
行政書士試験

行政書士の商品は「知識」です。



そのころ、行政書士受験業界は盛り上がっていました。受験生は毎年大幅に増加していたのです。それは、不況による資格ブーム、そして、漫画『カバチタレ!』がドラマにもなり、行政書士資格が人気を博していたからです。講師も不足していました。今思えば、講師になれたことは、運もかなり味方してくれたと思います。

この時点において、私にとって行政書士資格は講師になるためのものであり、開業は考えていませんでした。
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