なぜ不安を抱き、苦手な受験生が多いか?
まず、勉強として一番簡単な暗記で対処できないから受験生は文章理解について苦手意識を持つのでしょう。しかし、受験生が文章理解を苦手とする最大の理由は、問題の解き方がわからないということです。解き方ではなくその場の勘で解いてしまう。当然、点数は安定しません。そして、勘で解いている以上、文章理解に対する不安を消せるわけがありません。また、勉強がしづらいというのも苦手となる理由のひとつです。著作権法により、試験センターですら文章理解の問題を掲載できません。過去問を解けないというハンデは大きいと思います。その上、全体・部分の要旨把握、空欄補充、並び替えなど多岐にわたる形式で出題されます。各形式ごとの対策が不十分になりがちです。
さらに、問題の配置場所にも文章理解に対して不安を抱く原因があります。順番通り解いていくと、文章理解は最後(問題58~60)に配置されています。その結果、十分な時間をさけずに、焦って解くため正答率が下がってしまうのです。そして、模擬試験などでいつも焦って解いているために苦手意識が醸成されやすくなり、不安を抱くようになっていくのです。
ではどう対処するべきか?
不安をなくすには、文章理解に自信を持てるようにしなければなりません。文章理解(長文読解)は、問題文の読み方、問題の解き方について方法があります。決して勘で解くものではありません。そのことを知ることが何よりも大切です。具体的な読み方と解き方についてすべて説明するのは難しいので、代表的な参考書をあげさせて頂きます。いずれも、賛否はありますが、大学受験において広く読まれている参考書です。これらの本は大学受験を想定して書かれたものであり、行政書士試験用ではありませんので、内容について取捨選択が必要です。ただ、その点を考慮しても、闇雲に勘で解いている受験生にとっては有益だと思います。
問題文を論理的に読んでいくという方法を知る上では、『高1からの出口現代文講義の実況中継』あたりを読んでみるといいかもしれません。個人的には出口先生の著書をおすすめします。そして、問題の解き方を知る上では、実践的な公式が紹介されている『ゴロゴ板野の現代文解法565(ゴロゴ)パターン集 増補改訂版』あたりを読んでみるといいかもしれません。
読み方や解き方がわかってくると、自信が持てるようになり不安がやわらぎます。解く時間も短くなっていきます。これらの相乗効果によって、正答率も高くなっていきます。もっとも、上記参考書では、並び替え問題については対処方法が欠落しているという点はご指摘させて頂きます。
最後に
もちろんですが、予備校は行政書士試験用の文章理解対策を行います。ですので、独学者以外の方は、上記の参考書は原則として不要です。しかし、どうしても文章理解が得意にならないというのであれば、上記の本を読んでみるのもいいかもしれません。文章理解における問題文を読む力、問題を解く力は、ある程度問題数をこなしてはじめて身につくものであり、継続的に問題を解くことが必要です。そうすると、問題集が必要になります。独学の方、予備校に通っているけどもっと問題を解きたい方は、公務員試験用の文章理解の問題をご利用ください。