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グランフロント大阪内にオープン 「住ムフムラボ」(2ページ目)

4月26日ににオープンした「グランフロント大阪」。開業後3日間で100万人の来場となるなど、大きな話題となっているようです。先日、私はその中にある「ナレッジキャピタル」と「住ムフムラボ」を見学してきました。今回の記事はそのレポートです。

田中 直輝

執筆者:田中 直輝

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「住ムフムラボ」で特に多くの人たちの関心を引きつけたのが、ホンダが開発したパーソナルモビリティ「UNI-CUB」と「体重支持型歩行アシスト」でした。これらは、「ASIMO(アシモ)」に代表されるロボット技術が元になった製品です。

最先端ロボット技術の実用化を目指す場という位置づけも

「UNI-CUB」は前後左右、斜めに動くことができる乗り物。コンパクトサイズで車いすでは難しい移動の仕方や、両手が使えるため今後は住宅内はもちろん、様々なところで活用が期待されそうです。また「体重支持型歩行アシスト」は、重い荷物を運ぶ際に機械が足にかかる負担を軽減してくれる機器。こちらは自宅での介護などをしやすくしてくれることが期待できそうです。

UNI-CUB

ホンダの「UNI-CUB」に乗っている様子。小回りがきき両手も使えるため、今後は住宅内はもちろん、様々な場面での活用が期待されそうだ(クリックすると拡大します)

このように書くと、「住宅と関係なさそう」と思われるかもしれません。実はハウスメーカーである積水ハウスとホンダがこのようなかたちでコラボレーションすることで、我が国にある最先端のロボット技術が、より早い段階で商品化・実用化され、普及する可能性があるのです。

もっとわかりやすく説明すると、自動車メーカーであるホンダは住まいや暮らしに関するノウハウや知見があるわけではありません。一方、積水ハウスには住まいに関する知識や経験を数多く保有しています。

それらがベストミックスしてこそ、実生活の中で私たちが便利だと感じ、世の中に普及していくわけですから、このようなコラボレーションが実現しているわけです。私は「UNI-CUB」にも実際に乗ってみましたが、驚くほど安定していて移動もスムーズでした。

このように皆さんも「住ムフムラボ」を訪れた際には、実際に体験・体感(残念ながら「UNI-CUB」は試乗できませんが)ができますから、スタッフ(実は積水ハウスの研究所員)に、感想や問題点などを指摘してみてください。「ナレッジキャピタル」全体がそうなのですが、「住ムフムラボ」も来場者は皆、研究員でもあるのですから。

目玉イベント「ダイアローグ・イン・ザ・ダーク」も

さて、「住ムフムラボ」にはもう目玉となるイベントが用意されています。それは「ダイアローグ・イン・ザ・ダーク(DID、日本語では暗闇の中の対話といいう意味)」というイベント。他の展示は無料で見て回れますが、こちらは唯一有料となっています。

DID

「住ムフムラボ」の目玉イベントに「ダイアローグ・イン・ザ・ダーク」がある。暗闇の中であなたもこれまでにはない新たな気づきを得られるかも(クリックすると拡大します)

DIDは、参加者が100%純粋な暗闇空間の中を探検し、様々な体験を行うというもの。1988年にドイツで誕生し、世界30ヵ国・約130都市で開催され、2011年現在で700万人が体験しているというイベントです。日本では東京都渋谷区に常設会場があるそうです。

私も体験してきました。ネタバレしないよう説明すると、5~6人くらいのグループで中に入り、視覚障害を持つスタッフにエスコートされ一連のイベントを体験するという内容でした。感じたことは、視覚を失うだけで自分がいかに無力になるかということです。

もう一つは、視覚を持たないスタッフさんがいることへの心強さ、そして一緒に体験した人たちに対しての感謝でした(真っ暗闇の中ですから他の参加者に迷惑をかけるかもしれません)。所要時間は70分ほどなのですが、あっという間に時間が過ぎていきました。

ですので、このイベントは組織のコミュニケーションの醸成やリーダーシップの養成を目的とした研修などにも活用されているといいます。なかなか体験できない内容ですので、皆さんも是非一度トライして頂きたいと思いました。

ところで、ホンダとのコラボレーションも含め、なぜこのようなイベントが「住ムフムラボ」内で行われているかというと、これは住まいのユニバーサルデザイン(UD)との関連があるのだと思いました。UDとは、身体障害者や高齢者も含め、誰にでも使いやすいデザインのことをいいます。

それは住まいや暮らしの本質的、基本的な要素であり、これが欠けていれば本当に快適な住まいとはいえません。たとえ最新設備が採用されたスマートハウスであったとしても。そうしたことに対して、改めて気づきの機会を提供してくれる場所が「住ムフムラボ」という場所の価値なのだと感じました。
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