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【倉俣史朗のデザイン】Homage to Mondrian 1975(2ページ目)

【石川 尚のデザイン探訪】没後数十年経ても色あせることのないクラマタデザイン。現在でもデザインや思想がクローズアップされるキラ星のごとく輝く倉俣さんのデザインをシリーズでご紹介します。

石川 尚

執筆者:石川 尚

ファニチャーガイド

「絵画」が「家具」になった「モンドリアンへのオマージュ/Homage to Mondrian 」

それが、美術大学に入って様々な講義や資料に出逢い、
「あっ、あの椅子は、オランダの家具デザイナー・建築家:ヘーリット・トーマス・リートフェルトがデザインしたレッドアンドブルーチェア
 「アノ箱は、クラマタシロウという日本人デザイナーがデザインした家具だったんだ!」と知った。

そして、まさかその家具をデザインした倉俣さんと大学でお会いするとは思いもしなかった……大変奇遇で貴重な体験だった。
その後も倉俣さんには何かと気にとめていただき、様々な場面でお話する機会が続いた。

さて、あらためて倉俣さんの作品
「モンドリアンへのオマージュ(モンドリアン賛)/Homage to Mondrian」 (1975年)
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「モンドリアンへのオマージュ」1975年(引用:「倉俣史朗」p145 / 発行:クラマタデザイン事務所 )   ●クリックすると拡大します

モンドリアンの「赤と黄と青と黒のあるコンポジション」シリーズの絵画に奥行を持たせ、赤や青、地の白色部分を扉や抽き出しに置き換えた「箱家具」をデザインしている。
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「モンドリアンへのオマージュ」1975年
製作:青島商店
塗装:木製ラッカー
photo:Takayuki Ogawa
(引用:「AXIS vol.62」/ p43 / 発行:アクシスパブリッシング )
●クリックすると拡大します

 この作品は、モンドリアンの『絵画(芸術)』を『家具(モノ)』に置き換えた。つまり観賞するものではなく、使えるモノとして作った=デザインしたのである。

しかし、ただ収納や抽き出し=家具としてだけではなく、部屋や空間にこの「家具」を置くことによって空間が引き締まったり、パァー!と華やかになるポイントやアクセント=絵画のようにデザインしている。

このような収納家具がお部屋にあるだけでなんだか楽しくなる。

倉俣さんがこだわり続けたデザインの可能性、デザインの意味を痛感する作品である。


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■ 今回の関連リンク

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【歌舞伎座新会場】柿葺落と伝統デザイン(前編)



 



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【保存版】倉俣史朗とエットレ・ソットサス展1/3
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