基本的に“ナカミはまんま”クロスオーバー
ますます増殖中、のミニ・ファミリィ。これ以上、調子に乗られても困ってしまう(数えるのが大変になるじゃないか)ので、“何番目の~”なんてフレーズ、もう使わないでおこう。とにかく、“でっかいミニ”のクロスオーバー(本国名カントリーマン)をベースに2ドアクーペとしたモデル、ペースマンの登場だ。
基本的に、ナカミはまんまクロスオーバー・4シーターだと考えていい。ただし、ペースマンのキャラクターを考えて、ベーシックグレードのONEは設定されない。つまり、クーパー以上(クーパーS、クーパーSオール4、JCW)という、いかにもスペシャルなラインナップとした。
スペシャリティカー(もう死語か?? )、ということは、デザインが、全て。気に入るか、気に入らないか。実用性でいえばクロスオーバーが断然上、乗り味だってほぼ変わらず上々で、しかもアチラには安いグレードまであったわけだから、あえてペースマンを選ぶ理由は、“カタチが好きだから”以外にないはず。
1.6リッターエンジンのクーパー(6MT 312万円/6AT 325万円)、1.6リッターターボのクーパーS(6MT 362万円/6AT 375万円)と4WDのクーパーS ALL4(6MT 383万円/6AT 396万円)をラインナップ。ハイパフォーマンスモデルのジョン・クーパー・ワークス(6MT 453万円/6AT 466万円)も追加設定されている
ルーフが後方に向かって下がっている。けっこうな下り坂。反対に、ボディサイドのショルダーラインは力強く上がっていく。さらにリアセクションサイドが、中央に向かってかなり絞り込まれた。だから、全体的にみて、軽快どころか敏捷なイメージである。
後からの眺めに“異変”を感じた方は、そうとうなミニマニアである。「だって、ほら、ライトが……」。そう、リアコンビライトが横長になった。しかも、PACEMANとモデル名まで入っている。いずれもミニ初のデキゴト。車体を低くワイドに見せるための工夫である。水平基調のデザインが多いことも、ペースマンを低くスポーティにみせている。
インテリアも、運転席からの景色はクロスオーバーとまったく同じ。振り向けば、そこは2座仕様で、ラウンジシートのようなアレンジになっている。実際に座ってみれば、クロスオーバーほどには頭上に余裕はないものの、窮屈というわけではなく、前後のスペースも十分で、オトナ4人のドライブもまったく問題ナシである。