公的手当/出産や育児でもらえる手当・給付金

シングルマザー・シングルファザーのための公的制度(2ページ目)

厚生労働省の人口動態統計によれば、平成26年の離婚件数は約22万2000件です。前年の約23万1000件よりは減少しているとはいえ、平成26年の結婚件数は約64万3000件ほど。約3組に1組が離婚している計算になります。シングルマザー・シングルファザーの家計を助ける制度について確認・比較してみましょう。

拝野 洋子

執筆者:拝野 洋子

ファイナンシャルプランナー・社会保険労務士 / 年金・社会保障ガイド

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遺族年金を受けられる要件は?

そもそも遺族年金を受けるための要件にはどんなものがあるのでしょうか?

■亡くなった人の被保険者期間に一定期間の保険料滞納がないこと
遺族年金は亡くなった人の保険料納付要件で支給の可否が決まります。亡くなる前に、原則20歳以降の厚生年金・共済年金・国民年金の被保険者期間のうち、1/3以上の期間に保険料滞納がないことが必要です(遺族が保険料をどのくらい払っていたかは関係ありません)。

ただし平成38年4月1日前の死亡なら、亡くなった人が死亡日に65歳未満であれば、死亡月の前々月までの1年間のうちに保険料の滞納がなければ支給されます。これらの保険料納付要件を満たしていないと配偶者が死亡して子どもがいても、遺族年金が支給されない場合があります。

ちなみに遺族年金は籍が入ってなくても実質的な配偶者(内縁関係)なら、上記の保険料納付要件を満たしていれば支給対象者になり得ます。

■シングルマザーが有利、シングルファザーは不利
子のある妻には年齢は関係なく支給されますが、子のある夫だと遺族厚生年金に年齢要件があります(詳細は前ページ)。

■再婚すると支給されなくなる
再婚するとシングルマザー・シングルファザーでなくなるので、遺族年金の権利を失います。

遺族年金と各手当との関係

児童手当と遺族年金は両方受けることができます。児童扶養手当(次ページ)より遺族年金の方が少ない場合、差額が支給されます。

遺族年金は非課税で、働いて収入を得ても減額にはなりません。児童扶養手当は減額されることがあります。

さらに遺族年金、児童手当、児童扶養手当、勤労収入その他収入を合計して最低生活費に足りないと見なされれば、生活保護で母子加算を受けることができます。

次のページでは、遺族年金以外の制度「児童扶養手当」を確認してみましょう。
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