建築家・設計事務所/建築家住宅の実例

蛇腹状のRC躯体に住む[高田馬場の家]

高田馬場の駅に程近い、低層のマンションやオフィスビルの建ち並ぶ閑静なエリアの「ウナギの寝床」の敷地に、ユニークなコンセプトのコンクリートの家が建ちました。壁と床がジグザグに折れ曲がり、3階建ての全てのフロアに間仕切り壁を持たないという、前代未聞のデザインです。

執筆者:川畑 博哉

この家の敷地は、大きな土地をどんどん細分化していく中で、オフィスビルとマンションとの隙間として残された、いわゆる「ウナギの寝床」と呼ばれる細長い形をしています。道路に接する箇所は、わずか4.7mなのに、奥行きは22mもあります。
「できる限りたくさんの光と空間がほしい」「内部と外部の境界が曖昧な空間での流動的な住まい方をしたい」「密集した都市の中でも周りの自然を取りいれた暮らし方が出来る家」という建て主夫婦の要望に、設計を託された若きドイツ人建築家フロリアン・ブッシュさんは、この上なくシンプルなアイデアで答えました。

折れ曲がるコンクリートの壁


写真をクリックすると次の写真に進みます
外観
1. S字に折れ曲がる壁が個性的な外観。
2. 左右いっぱいに開く玄関ドア。
3. 竣工当時の夜景。写真:坂口裕康


この家は、地面から床→壁→天井→と繋がる、厚さ30cmの蛇腹状のコンクリート打放しの躯体と、細い無垢の鉄骨柱とガラスだけで構成されています。土木のように見える頑丈でシンプルな形によって、各階から互い違いの方向へ視界が開ける、メリハリのある開放的な空間が造りだされています。


◆建築データと建築家プロフィール


  • 1
  • 2
  • 3
  • 5
  • 次のページへ

あわせて読みたい

あなたにオススメ

    表示について

    カテゴリー一覧

    All Aboutサービス・メディア

    All About公式SNS
    日々の生活や仕事を楽しむための情報を毎日お届けします。
    公式SNS一覧
    © All About, Inc. All rights reserved. 掲載の記事・写真・イラストなど、すべてのコンテンツの無断複写・転載・公衆送信等を禁じます