ホームシアター/ホームシアターの選び方・基本

スクリーンの選び方(スタイル別編)

スクリーンの選び方(基礎知識編)では、幕面の種類や構造の種類と、それらの特徴をご紹介しました。この記事では、代表的な使用スタイル別に、想定される条件、オススメ製品の例とその理由を述べます。部屋やシチュエーションを思い浮かべるだけで、ピッタリのスクリーンが見つかりますよ!

鴻池 賢三

執筆者:鴻池 賢三

オーディオ・ビジュアルガイド

リビングで映画鑑賞

プロジェクターを使用したホームシアターで最も多いのが、夕方から夜にかけて、リビングでソファーに腰をおろし、リラックスして映画や音楽を楽しむスタイルです。

このシチュエーションでは、日没後で外から日光は入らず、照明を落とせば暗室にできる状況ながら、団らんに支障の無い程度の明かり、読書や軽作業ができる程度の明かりを想定しておくと良いでしょう。

オススメのスクリーン:

電動の天吊り式で、マットタイプの幕面を選択しましょう。

オススメ理由:
普段はスクリーンを巻き上げておくと、インテリアの邪魔にならず、幕面が汚れる心配もありません。視聴時は、リモコンでワンタッチかつスマートに降下させる事ができるので、面倒さはなく、シアターの稼働率もアップします。予算を抑えたいユーザーは、手動式を選んでも良いでしょう。

マットタイプの幕面は画質に優れ、斜めから見ても映像の見え方は殆ど変化しません。大勢でスクリーンを取り囲んだり、キッチンで用事をしながら覗いたりといった視聴方法にも対応できます。

マットタイプは明かりがあると映像の黒が浮いたり、色が薄く見えますが、夜のリビング程度の明るさであれば、光が直接スクリーンに入らないように工夫すると、充分な画質が得られます。

もし、黒をもう少し引き締めたいと思うユーザーなら、幕面がグレーの「グレーマット」を選択する手もあります。

製品例:

 

明るい部屋でゲーム

最近人気なのが、ビデオゲームを大画面でプレイするスタイル。カーレースなら実車さながらのリアルさが、スポーツゲームの対戦では白熱の臨場感が、そのほか、どんなゲームもスクリーンの大画面なら、楽しさも倍増します。

このシチュエーションでは、日中、外光が差し込む時間帯にお子さんが遊ぶケースや、日没後でも、操作や安全性の面から、明るめの照明を想定しておく必要があります。

オススメのスクリーン:
立ち上げ式で、パールタイプの幕面を選択しましょう。

オススメ理由:
立ち上げ式なら移動も可能で、リビングでもお子さんの自室でも遊べます。スクリーンを使わない時は、巻き取って押し入れに収納できるなど、片付けが手軽なのもポイントです。

スポーツやリズム系など、体を動かすゲームの場合、立ち上がった人間がプロジェクターの投射光を遮らないよう、高い位置に設置する事になるでしょう。逆に、スクリーンと人間の間にプロジェクターを設置する場合は、短焦点型のプロジェクターを低い位置に設置する事になります。

こうしたシチュエーションで明るく視認性の良い映像を得るなら、幕面はパールタイプがピッタリです。

製品例:

 

シアター専用ルームで3D映像

シアター専用ルームあるいは画質を重視したリビングシアターで、3D映像を楽しむ方が増えています。

テレビでは3Dメガネの装着が面倒で今ひとつ不人気の3D映像ですが、スクリーンで映画を視聴する場合、ユーザーは作品1本を最初から最後まで観る意気込みなので、時間的にも姿勢的にも、3Dメガネは負担になりにくいものです。また、作品によっては、3D視聴を前提として制作されているものもあり、3Dでしか発見できない事もあります。3D対応のブルーレイ映画なら、立体映像で楽しみたいものです。

このシチュエーションでは、映像の明るさがポイントになります。理由は、高画質ホームシアター用のプロジェクターは、色の再現性を重視するため、輝度は低い傾向にあります。さらに3D視聴では、3D視用メガネの装着により、目に届く光は80%~90%も減ってしまいます。

マットタイプの大画面スクリーンに投射すると、3D映像は暗く感じ、特に暗部は見づらくなるケースもあり、結果として立体感も損なわれてしまいます。この問題を解決するには、明るく見えるスクリーンが有用です。

オススメのスクリーン:
天吊り式で、最新のビーズタイプの幕面を選択しましょう。

オススメ理由:
まずビーズタイプの幕面は、映像を非常に明るく見せてくれる特性を備えています。副作用として、正面以外から見ると映像が暗く、輝度ムラを生じるなどの弱点もありますが、1~2人が正面に着座して視聴するにはあまり問題となりません。また、最新のビーズタイプは、ビーズ(球)の直径が非常に小さく、映像は滑らかに進化しています。明るい3D映像は、立体感も豊かで疲れにくいものです。

製品例:

 

シアター専用ルームで究極の高画質

究極の高画質を目指すユーザーは、完全に暗室にできるシアター専用ルームを持っています。このシチュエーションでは、映像は、外光や照明光の悪影響を受ける心配は皆無で、画質を最優先し、マットタイプを選ぶのが基本です。

オススメのスクリーン:
マットタイプの幕面で、可能なら「はり込み式」を。巻き取りが必要で天吊り式なら、タブテンション(サイドテンション)付きがオススメです。

オススメ理由:
画質最優先なら、拡散性の高いマットタイプが有利です。輝度ムラもなく、画面の隅々まで均質な映像が得られます。暗室が保てる専用ルームなら、黒が浮く心配も少なく、良好な画質が得られます。

はり込み式は、平滑性に優れているので最も理想的です。一方、オーディオも楽しみたいユーザーは、プロジェクターの映像を見ない時、スクリーンを巻き上げておきたいケースが多く、天吊り式も人気です。天吊り式の中にも、両サイドから引っ張って幕面を平滑に保てるサイドテンション(タブテンション)付きの製品もあります。

製品例 (はり込み式):

 
製品例
(天吊り式/サイドテンション付):
オーエス サイドテンション電動スクリーン STPシリーズ


STP-120HM-MRK2

オーエス STP-120HM-MRK2



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※記事内容は執筆時点のものです。最新の内容をご確認ください。

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